横断歩道でおばあさんに道を譲る男性ドライバー

前回は、息子が自転車に乗れるようになったエピソードから、発達障害のお子さんが自転車に乗る立場での、最低限でも4つの検討すべきことなどについてお話をしました。今回は、息子の自動車免許の取得の検討に関するエピソードから、発達障害のお子さんが自動車免許を取得する前に、最低限でも4つの検討すべきことなどについてお話しします。

自動車免許を取得する前に検討すべきこと

もう数年前になりますが、息子の1つ上の兄貴が大学3年生のとき、就職活動前の時間に余裕があるうちに、自動車免許を取得しておこうということになりました。兄貴が近隣の自動車教習所に通うことになった際、息子も一緒に行くかどうかの検討もしようということになったのです。

発達障害でも知的な遅れがある子どもの場合、自動車免許の取得はわりとハードルが高いと思います。運転実技の問題もありますが、学科はおおよそ中学校の卒業レベルくらいの難易度は十分にあるからです。

息子については、自動車免許の取得は十分可能と考えていましたが、単独での挑戦の場合、取得に相当時間がかかりそうだったので、兄貴と一緒であれば効率的に取得できるのではないかとも考えたのです。既に息子は今の職場に就職して仕事にも十分に慣れてきたところだったので、土日曜日のみの通所であれば、時間的にも自動車免許が十分に取得可能だったからです。

息子は、ゲームが大好きでスーパーマリオカートを上手にこなします。ドライブゲームが上手だからといって、車の運転の適性があるということにはなりませんが、少なくとも車の運転に興味を抱いているのではないかと思っていたのですが、違いました。息子はゲームを、あくまでも趣味として純粋に楽しんでいただけようです。

息子の卒業した高等特別支援学校のOBの友だちのなかには、それほど多くはありませんが、自動車免許を取得したという話がちらほら聞こえてきます。自動車免許は、ないよりはあった方がいいと思います。自動車を運転することができれば、生活の利便性は向上しますし、たまにはレジャーで、外出する先の選択肢も増えます。さらに、発達障害者のできる仕事の幅も広がるからです。

兄貴が自動車免許を取得しようと決めた際、息子にも希望を聞いてみました。その際、大事なことですので、車を運転することのメリットとデメリットや運転する前に絶対に考慮しておくべきことなど、さまざまなことについても話しました。現代社会のなかで、車は不可欠の存在になっています。車のおかげで人々の生活は、大きく向上しました。車があることで多くの恩恵が得られるメリットがある反面、不幸な交通事故も数多く起こるデメリットがあることも話しました。

誰でも、自動車を運転するときには、事故が起きないように十分に注意を払いながら運転をします。ですが、どんなに注意していたとしても、ちょっとした気の緩みや不注意で交通事故が起こります。誤って交通事故を起こしてしまったときには、怪我人の救護などを冷静に対応する責任が生じます。また、事故で生じた損害賠償請求にも誠実に応じる必要があるので、自動車保険(任意保険)の加入もしなくてはならないことも話しました。

これらを息子と何度も話し合った結果、息子は、今はまだ責任を全うするのはむずかしいので、自動車免許の取得は保留にしたいとの結論に達しました。息子は、今後、自動車免許の取得はしないという決断をするかもしれませんが、それはそれで本人が十分考えたうえでの決断ですし、車の運転は無理にするものでもないので、それでいいと考えています。

現在、自動車業界では技術革新が急速にすすみつつあり、ドライバーが事故を起こしにくい装置が次々に開発されています。既に運転アシストとして、自動ブレーキなどが新型車に搭載されてきていますので、交通事故を極端におそれる必要はないと思いますが、やはり運転時には、慎重さは求められると思います。

息子は、現状では自動車の運転はしない方向で考えているようですが、もし、運転したいと気持ちが変わった場合には、もうひとつ、先輩ドライバーとしてアドバイスしたいと考えています。それは、「歩行者に優しい運転を心がけるように」ということです。私自身も、いつも歩行者には優しいドライバーでありたいと思っています。

私は、息子とのウォーキングを始めてから既に10年以上が経過していますが、歩行者の立場で見ると歩行者にあまり優しくない運転をしている人が少なくないことに、びっくりさせられます。歩行者はドライバーから見れば弱者です。歩行者のなかには、お年寄りもいれば幼い子どもたちもいます。

息子は発達障害者であり、世間では社会的弱者ですので、息子に優しくしてくれる人もたくさんいます。息子も逆の立場であれば、相手に優しい対応をしてもらいたいと考えているのです。

みなさんのお子さんも、いずれ自動車の運転をするかどうかの選択を考える時期が来ると思います。その際には、ぜひ、自動車を運転することのメリット、デメリットだけではなく、ドライバーとして知っておくべき交通ルール、運転マナー、心構えなども十分に親子で話し合うことをおすすめします。

今回のまとめ
発達障害のお子さんが自動車免許を取得する前に、最低限でも検討すべき4つのこと
  1. ドライバーとして知っておくべき交通ルール、運転マナー、心構えなど
  2. 自動車保険(任意保険)の加入の検討
  3. 誤って交通事故を起こしてしまったときには、怪我人の救護などを冷静に対応する責任が生じること
  4. 歩行者に優しい運転を心がけること
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