困っているお父さん

前回は、発達障害児を抱えるお母さん(妻)を擁護してくれる人が少なく、特に舅姑に至っては、ほとんど理解をしてもらえない実態をお話ししました。ですから、少なくともお父さん(夫)からは理解してもらいたいですし、味方になってくれたら、お母さんにとってはどんなに心強いことでしょうか。

ですが、現実にはお父さんが発達障害のわが子に対してあまり理解を示してくれないため、困っていたり不満を抱えていたりするお母さんは少なくないと思います。お父さんの多くは、まったく無関心とまではいかないにしても、発達障害のお子さんに正面から向き合うことを拒んでいる方が多いように感じています。ですが、愛するお子さんの親として、少なくとも半分は、お子さんの子育ての責任を担ってもらう必要がありますし、何とか責任を全うして欲しいところです。

今後、そのお父さんをどうすれば味方に引き入れることができるかについて、考察していきたいと思いますが、お父さんを攻略するためには、まず、お父さんのことを良く知ることから始まります。

ここで、一般的なお父さんが発達障害児の子育てについて、どう考えているのかを考察する前に、今回は、まず、お父さんの代表として、私自身がどうだったかについて、先にお話しします。

父親としても夫としても失格だった私

シュンとしているお父さん

私は、最終的に息子を立派に育て上げることができたと思っていますが、元々は、父親としても夫としても失格でした。ですが、そんな私が、なぜ、息子の子育てに参加することになったのかについて、みなさんの参考になればと思います。

息子の障害が判明したのは、息子が2歳半頃で、私が息子の子育てに参加を決意したのは、息子が3歳になってからでした。私は息子の障害が判明するまでは、会社人間で仕事に没頭するあまり家庭を顧みてはいませんでした。仕事後も週に3日は、同僚との付き合いなどで帰宅が遅くなっていました。そして、家事も子育ても家庭内のことは、ほとんど妻任せでした。

そんなある日、会社に妻から突然電話が来て、何かようすがおかしいのでその日はできるだけ早く帰宅したところ、息子が「自閉症の疑い」の診断をうけたとのことでした。そのときの私の率直な気持ち(声には出していませんでしたが)は、「何か、面倒なことになったもんだ」「息子が障害者なんて、世間体が悪いな」と、どこか他人事でした。

正直、突然に息子が障害児だったといわれても、心の準備ができていないどころか、これまで家庭をほとんど顧みていなかったのですから、まったくの晴天の霹靂です。妻から「どうしたらいいか」と聞かれても、(これまた、声には出しませんが)「それは、こっちが言いたいよ」と思っていました。

妻は…

こういうときは、お母さんの方が覚悟を決めるのは早いようです。その後、すぐに妻は地元にある「小児療育センター」に息子の通所を決めてきました。そのときも、「ああ、何か大変だな」と、どこか他人事だったと思います。その間、私はどうだったかと言えば、しばらくの間は現実逃避の日々が続きました。現実を忘れるために益々仕事に傾倒していきました。

妻は、私に息子のことでいろいろと相談したいようでしたが、私はまともに相手をすることをできる限り避けていました。妻が陰で泣いていたこともわかっていましたが、そのときは、私も精神的な余裕はなく、もう、どうしようもなかったのです。

息子は「自閉症」

そうはいっても、私もまったく無関心というわけにはいられずに、自閉症に関する本を読み漁りました。そしてわかったことは、診断は「疑い」でしたが、2歳半なのに言葉が喃語ばかりでほとんど出ない、こだわりが強い、視線が合わない、常同行動など息子のようすは、まさに「自閉症」そのものでした。それまでも、私から見て息子は何となくおかしいなと思っていたのですが、この何となくそう思っていたことが、確信に変わった瞬間でした。

さらに、息子は些細なことでパニックを起こして、日常生活に支障をきたすまでになっていました。体力だけはあったので、一度パニックを起こすと何十分、何時間でも延々とわめき、泣き続ける毎日に私たち家族は振り回されて、どんどん疲弊していきました。このままでは、いずれ近い将来には、我が家は家庭崩壊となるのは必至でした。

今回のまとめ

発達障害に無理解、非協力的な夫の攻略法

  • 夫のことを良く知ることから始まる

私の場合、父親としても夫としても失格だった

  • 息子が「自閉症の疑い」の診断をうけたときの気持ちは「何か、面倒なことになったもんだ」「息子が障害者なんて、世間体が悪いな」と、どこか他人事だった
  • それでも無関心ではいられず、自閉症について調べた結果、言葉が出ない、こだわりが強い、視線が合わない、常同行動などの障害特性を認識
  • 息子は「自閉症」と確信

今回は、ここまでです。次回は私の体験記の続きです。これまで、まったく家庭を顧みていなかった私が、息子の育児に参加を決意するまでの経緯について、お話しします。お楽しみに。

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