「成年後見人制度」メリットとデメリットの天秤

前回、成年後見人制度の概要について、簡単に説明いたしました。今回はその続きです。

成年後見人制度を検討する理由

悪徳業者から電話勧誘されて、困っている女性

お子さんが未成年の場合、親権者の同意なくお子さんが高価な物品を不当に買わされたり、不当な契約を結ばされたりしたときには、親権者である親御さんがそれを取り消すことができます。お子さんが未成年であれば、発達障害者でも健常者でもそれは同じです。

しかし、お子さんが成人後はそれがむずかしくなります。なぜなら、お子さんが成人した場合には、法律的には自動的に知的な遅れがあろうとなかろうと、お子さんが一般の成人として法律行為(契約の締結など)ができるものとして取り扱われるからです。

健常者でも、高価な物品を不当に買わされたり、不当な契約を結ばされたりしたときに、「詐欺」「脅迫」「錯誤」などが認められた場合には、契約の取り消しが認められることもありますが、あくまでもケースバイケースです。

ですから、お子さんが、発達障害者で知的遅れがあり、判断能力が不十分と判断される場合には「成年後見人制度」を適用するかどうかの決断が必要となってきます。

息子の場合は、息子が高校生くらいのときに「成年後見人制度」の要否を検討しました。検討するにあたって、「成年後見人制度」について簡単に調べてみました。そして、おおよその概要については、前回ご説明したとおりです。

成年後見人制度のメリット・デメリット

警備員の男性

「成年後見人制度」のメリットは、高価な物品を不当に買わされたり、不当な契約を結ばされたりした際に、簡単に不利な契約の取り消しができるところにあります。

デメリットについては、この制度ができた当時は、まだ選挙権が一部制限されることなどがありましたが、既に法改正がありこの選挙権の制限のデメリットについては、解消されています。

ただ、デメリットについては他にもあります。印鑑登録ができない、株式会社の取締役、監査役になれない、弁護士や医師などの職業につけないなどがあります。

最近、「成年後見人制度」のデメリットに関連した報道がありました。「成年後見人制度の欠格条項」に関連するもので、地方公務員法や警備業法など、180におよぶ法律で欠格事項が規定されているようです。

簡単にいうと、「成年後見人制度」を利用すると弁護士や医師だけではなく、法律で欠格事項が定めている職業には、例えば公務員や警備員など多くの職業につけなくなるということになります。

今回の報道では、知的障害のある成人男性が親族に預貯金を勝手に使い込まれたため、第三者に財産管理者になってもらうために「成年後見人制度」を利用しました。そうしたところ、今、警備員として勤務している警備会社を「成年後見人制度の欠格条項」を理由に退職せざるをえなくなったというものです。

報道では彼の場合、軽度の知的障害があるものの、これまでの警備員として勤務状況には問題がなく、彼自身も就労の継続を希望していました。しかし、「成年後見人制度の欠格条項」による退職というかなり理不尽な取り扱いであるため、提訴したという内容でした。

今回のまとめ
お子さんが高価な物品を不当に買わされたり、不当な契約を結ばされたりしたとき

お子さんが未成年の場合

  • 親御さんが親権者として、それを取り消すことができる

お子さんが成年の場合

  • 「詐欺」「脅迫」「錯誤」などが認められた場合には、契約の取り消しが認められることもあるが、あくまでもケースバイケース。認められないことも少なくない
  • したがって、成年後見人制度の検討が必要
成年後見人制度には、デメリットもある(要注意)

デメリットとして

  • 印鑑登録ができない、株式会社の取締役、監査役になれない、弁護士や医師、公務員、警備員などの180の多くの職業につけないなどがある

今回はここまでです、次回「息子と成年後見人制度」について、ご説明します。お楽しみに。

スマイル「発達障害者と成年後見人制度」関連記事