「パン屋さんになりたい」将来の夢を語る女の子

前回、発達障害のお子さんの学習能力をコンスタントにアップさせていくためには、お子さんに学習姿勢(前向きに学習する気持ち)を習得させる必要があることをお話ししました。

また、学習姿勢を習得させるには、お子さんの学習目的が明確にすること、学習することの楽しさを教えることが必要であることもお話ししました。

お子さんの学習姿勢ができていない場合、最終的にはお子さんの学習目的が明確にすること、学習することの楽しさを教えることが必要ですが、その前に確認することがあります。それは、お子さんの学習姿勢ができていない理由が何であるかです。

今回は、お子さん学習姿勢ができていない理由を踏まえたうえで、学習姿勢や学習意欲を育てていく方法について、考えていきたいと思います。

子どもが勉強を嫌がる理由

ゲームに夢中になっている男の子

お子さんの学習姿勢ができていない(お子さんが勉強を嫌がる)理由はいろいろと考えられますが、その主なものは、以下のとおりだと思います。

<子どもが勉強を嫌がる理由>
  1. 面倒だから、勉強したくない。(スマホやゲームなどでもっと遊びたい)
  2. 勉強に自信がない。(いくら勉強してもわからないから、もうやりたくない)

お子さんの学習姿勢ができていない理由が上記のどちらであっても、学習はできる限り継続させることが重要です。

現時点で、学習姿勢ができていないとしても、学習習慣(毎日決まった時間に学習する習慣または家庭内ルール)だけはできているとすれば、それだけは維持しておいた方がよいと思います。

誰でも嫌なことは避けたいものですし、楽な方向に流されがちだからです。

大人でもそのような傾向があるのに相手は子どもですから、一旦、楽な方向性を示してしまうとそれに流されてしまうのが、人間の心の弱さです。ですから、学習習慣だけは維持しておくことをおすすめします。

学習姿勢ができれば好循環に

勉強が楽しい男の子

一般的に、お勉強ができる子、学業成績の良い子の多くは、「学習姿勢」ができていますし、「学習に対する本人の心構え(お子さん自身に、前向きに学習しようとする気持ちが育っている)」もできています。

具体的には、学習目的が明確です。学習目的はさまざまです。具体的に将来なりたい職業が、明確になっている場合もあるでしょう。将来入りたい学校や学びたいことが明確になっていれば、お子さんが学習する動機としては十分だと思います。

さらに、学習に熱が入り、学習内容を1つ1つ理解できるようになること自体が、お子さんにとっては大きな喜びとなっていきます。理解が増えていく過程では、もっと理解できるようになりたいと、お子さん自身が積極的に学習意欲を出してきます。

ここまでくると、親御さんはお子さんにわからない課題が出てきたときだけ、対応すればよい状況になってきます。(健常児の場合では、自分で参考書などを使って調べることができますが、発達障害のお子さんの場合には、親御さんが対応してあげた方がよいと思います)

このレベルまで到達するには、当然時間がかかりますが、1つ1つ課題をクリアしていけばいいのです。

まず、親御さんがやるべきことは、お子さんの学習目的を明確化していくことから始まります。この時点では、お子さん自身に将来に関する明確なビジョンはないでしょうから、一緒に考えていく必要があるでしょう。

学習目的、ゆっくり考えていきましょう

楽しそうな親子の会話

話題としては、基本的には将来の生活(どんな生活をしたいか、どんな職業に就きたいかなど)やその手前の進学先などの話になるでしょう。

親御さんとしては、親御さんの考えを一気に押し付けたくなるところですが、できる限りお子さん自身に考えさせるようにして、お子さん自身に答えを出させるようにしましょう。

もちろん、親御さんがある程度お子さんを誘導してあげることは必要です。お子さん自身が自分で答えを出すにしても、何らかの判断材料を与えてあげることが必要となるからです。

そして、ゆっくりとしっかりと考えさせて、最終的にはお子さん自身が将来の生活や進学先などを自分自身で選択できるようにしてあげましょう。自分自身で出した答えならば、お子さんもやる気を出してくれるはずです。

ですから、この夏休みは、お子さんと一緒に将来へのビジョンを一緒に考える時間をたっぷりととってください。そして、お子さんとの将来の夢を親子でゆっくりと育んでください。

親子で同じ将来をめざして…とっても大切なことです

同じ目標をみている親子

この作業は、親子にとってはとても面倒な作業かもしれませんが、お子さんにとって将来への明確なビジョンを示してあげることにより、お子さんの学習姿勢や学習意欲を育てることが可能です。

遠回りのようですが、お子さんの明るい未来を考えたときには、結局、これが近道なのだと思います。なぜなら、学齢期が終盤になり就労直前になった際には、やはりこの作業を親子でしっかりやらなければならないからです。

息子が在籍していた高等特別支援学校の担任の先生は、再三このようなことを指導されていました。実際、ここまでやらないと、高等特別支援学校に入学できたとしても、就労の実現はむずかしいからです。

しかし、親子で将来に向かって、同じ方向性で努力することにより、確実により良い将来に近づけることは間違いないことだと思います。

私も息子との二人三脚で頑張ったからこそ、息子の今(就労を実現し、またその就労が継続できていること。さらに、余暇も充実して息子が毎日楽しく過ごすことができていること)があるのだと実感しています。それは、みなさんにも十分実現可能な将来だと考えています。

なお、お子さんとの話し合いのなかで将来のビジョンが定まったら、今後の大まかな学習方針(何を、いつまでに、どこまで学習すればいいか)についても、あわせて親子で話し合ってみてください。それについては、こちらをご参照ください。

学習を嫌がるお子さんにやる気を出させる方法については、こちらをご参照ください。

なお、学習のすすめ方や勉強嫌いなお子さんに勉強をさせる方法については、こちらをご参照ください。

なお、親御さんがどんなにアプローチしても、勉強を拒否するお子さんもいると思います。その場合は、学習姿勢ができていないだけではなく、もっと根本的な問題がありますので、その場合の対応についてはこちらをご参照ください。

今回のまとめ
夏休みは就労スキルを磨くチャンス

お子さんの学習姿勢ができていない(お子さんが勉強を嫌がる)理由は?

  1. 面倒だから、勉強したくない。(スマホやゲームなどでもっと遊びたい)
  2. 勉強に自信がない。(いくら勉強してもわからないから、もうやりたくない)

学習姿勢を習得させるには?

  1. お子さんの学習目的を明確にすること
  2. 学習することの楽しさを教えることが必要

学習目的を明確にするには?

  • 将来の生活(どんな生活をしたいか、どんな職業に就きたいかなど)やその手前の進学先などについて、親子でゆっくりとしっかりと話し合うこと
  • 最終的には、お子さん自身にその答えを出させること

今回はここまでです。夏休みは、お子さんの学習姿勢を習得させるにはとても良い機会です。次回は、家庭でもできる就労スキルアップについてです。さまざまなお手伝いを通じて、お子さんの就労スキルアップをはかりましょう。お手伝いをゆっくりと腰を据えて、お子さんにお手伝いのノウハウを教えることができるのも夏休みです。お楽しみに。

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