泣いている女の子

前回は、発達障害児に対するいじめ対策として、発達障害のお子さんのいじめがどんな環境で発生しやすいのか、どのような状況で発生しやすいのかなどを知っておくことが重要であることをお話ししました。

また、いじめの発生原因が発達障害児にある場合は、お子さん自身の問題を解決しないと、また、同じようなトラブルが発生しますので、注意が必要であることもお話ししました。

基本的に、いじめの問題が発生した場合には、それを解決していくこと、解決できることが理想です。

いじめ案件の多くのケースでは、発覚後に比較的早く解決を図れることが多いと思います。

その理由は、いじめなんてあってほしくない、起こってほしくないと考えている人が多く存在するからだと思います。

例えば、通常はクラス内でちょっとしたいじめが発生したとしても、クラス内で自浄作用が働くと思っています。

しかし、どんなに解決したいと考えていろいろと手を尽くしたとしても、なかなか解決がむずかしい状況に陥ってしまうことも多々あります。

いじめの問題の解決が困難な状況になるのは、問題がこじれた場合です。

今回は、問題がこじれて深刻化した場合、どのような対処が必要なのかを考えていきたいと思います。

問題がこじれて深刻化すると…

泣いている男の子

問題がこじれるには、問題がこじれやすい状況というものがあります。問題がこじれやすいといじめの問題そのものが深刻化します。

いじめの問題が深刻化すると、それだけいじめ被害にあったお子さんの心の傷が深くなる恐れがありますので、注意が必要です。

問題がこじれやすい状況では、いじめの問題を解決するより、お子さんのメンタル面でのケアを優先すべきだと思います。

ただし、お子さんを不登校には絶対にさせないようにしましょう。不登校となってしまうと、お子さんのその後の人生に、悪い意味で大きな影響を及ぼしてしまうからです。

いじめ解決よりも、お子さんのメンタル面のケアを。でも不登校には絶対にさせない

両手で包まれたハート

いじめ問題の解決には、いじめ加害者側と徹底的に戦うという選択肢もありますが、相手が悪かったりすると問題が深刻化してこじれてしまうことも良くあることです

一旦こじれてしまうと、いじめ解決には相当の時間とエネルギーが必要となります。

いじめ問題において最優先すべきことは、お子さんの気持ちを軽くしてあげること、お子さんが安心して学校にいけるように環境を整えてあげることがとても重要になってきます。

いじめ問題など、学校内でのトラブルは発達障害児が普通学級に在籍していると、どんなに注意を払っていても、1度や2度はどうしても避けられない事態が発生してしまうことがあります。

その場合、お子さんの心は深く傷ついてしまうことがありますので、メンタル面のケアの方がいじめ解決より優先される事項です。

具体的な対応としては、一時的に学校を休ませて癒しの時間が必要となるでしょう。

ですが、ここで気をつけることは、決して不登校にはさせないことです。

緊急避難的に学校に行かないという選択は必要ですが、不登校になってしまうと本格的に学校に行けなくなってしまう恐れがあるからです。

不登校になったお子さんは、最初の時点においては、一時的には精神的な安定が得られます。

ほんとうは学校に行きたい男の子

ですが、一旦不登校になってしまうと、学校に復帰することは本当にむずかしくなります。

不登校が長期わたってしまった場合、お子さんが進学や就職の年齢に達したとき、または、それを意識し始めたときが、学校や社会に復帰する1つの転機になるかもしれないと思います。

しかし、その時点でお子さん自身に復帰したいという強い希望があったとしても、長期間、学校や社会と遮断されていたのですから、復帰すること自体に恐怖を抱くなど精神的に大きな負担が生じます。

それでも勇気を振り絞って復帰できればいいのですが、精神的なハードルはとても高くなっているので、周囲の方々が想像しているより困難は大きいと思います。

そこで復帰できなかった場合、または、一時的に復帰できたとしても、学校や社会に適応できずにまた不登校や引きこもりに戻ってしまった場合には、「自分は普通の生活もできないダメ人間」だと自己否定に走ってしまう可能性があります。

結果的に、お子さんの心を深く傷つけるだけではなく、さらにそのまま引きこもりになってしまう可能性が高くなってしまいます。

この状態に陥ってしまうと、親子ともに不幸になってしまいます。ですから、長期間の不登校は避けることを、ぜひおすすめします。

逃げるが勝ちということも…

逃げるひよこ

いじめの問題が深刻化している場合には、いじめの解決よりもお子さんのメンタル面でもケアを最優先すべきだということ、ただし、不登校にはさせるべきではないことをお話ししました。

この対応については、矛盾していると考える方がいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。

では、具体的な対応について、考えていきましょう。

ここで、考慮しなくてはけない事項は、いじめ発生の原因が何であったかです。

もう、一度確認しておきましょう。前回もお話ししましたが、いじめの問題への対応は、そのいじめの原因により変わってきますので、まずはいじめの原因が何であったのかを確認しましょう。

なお、いじめの原因によりいじめの問題への対応が変わることに関しては、こちらをご参照ください。

さくら幸子探偵事務所
さくら幸子探偵事務所は全国のいじめ・嫌がらせ調査に対応している総合探偵事務所です。

いじめの発生原因によって、その対応方法が違います①

発達障害児に対するいじめは、その発生原因別に分類すると2種類あります。

発生原因が違うのですから、そのいじめを解決するためには、その発生原因に合わせた対応が必要となります。具体的にどう対応するべきなのか、考えてみましょう。

<発達障害児に対するいじめは2種類(原因別に分類)>
  1. 発達障害児を原因としないいじめ
  2. 発達障害児を原因とするいじめ

(1) 発達障害児を原因としないいじめ

涙を零している男の子

発達障害児にはまったく原因がないいじめで、深刻な状況に陥ってしまった場合の対応の選択肢は2つあります。

ここでの深刻な状況とは、何らかの要因でいじめ解決に時間がかかりそうな状況です。

選択肢の1つは、そのまま今の学校に通学させるという茨の道の選択です。いじめ解決に向けて親御さんの徹底した対応が求められます。

ちなみに、私はこの茨の道を選択しました。

茨

息子に対するいじめの内容は、主に暴力的な行為であり酷い内容でした。

いじめが発覚直後は、息子は精神的に傷ついていましたので、数日間学校を休ませました。

学校を欠席した日、私は息子と時間をかけて、今後の対応について話し合いました。

私は息子に「いじめが無くなるように、徹底的に戦うから学校にいってほしい」と伝え、息子も勇気を出して登校してくれることに同意してくれました。

ただし、この選択はあまりおすすめできません。

なぜなら、親御さんにもお子さんにも相当の覚悟と負担(勇気、時間、エネルギー)が必要となる可能性が高いからです。中途半端な対応では、いじめがもっと激しくなる可能性もあります。

大きな岩を持ち上げようとする女性

いじめの加害児童・生徒から、いじめを親や先生にチクったと報復がある可能性が高いからです。

ですから、いじめの加害児童・生徒に対して、報復したくなくなるような、または、報復しても無駄だと思わせるような対応をしていかないといけないからです。

その結果、息子へのいじめ行為は、私が動いてからしばらくしてからは、いじめの回数は極端に減ったようですが、完全にはなくなっていませんでした。

ほとぼりが冷めた頃にまたちょっかいをかけてくるという状況が続きましたので、いじめ解決に向け徹底的に対応する必要がありました。

そのなかで、思わぬ抵抗勢力もあり、最終的な決着には数年かかりました。

深刻ないじめの場合には、その解決への対応は、親御さんにとってかなりハードルが高い内容だと思いますし、相当の時間とエネルギーを割かなければなりませんので、あまりおすすめできません。

私は、その分の時間やエネルギーをお子さんの成長や能力アップへ振り分けた方が、余程有意義なのではないかと考えています。

そこで、もう1つの選択肢は「転校(他校の普通学級)」です。

転入生の男の子7

「逃げるが勝ち」ということわざもあります。この選択は、親御さんにとってもお子さんにとっても、負担が最小限で済みますのでおすすめです。

このケースでは、いじめでもお子さんにまったく原因がないケースですから、お子さんに転校させるという選択をさせるのは理不尽と思われるかもしれません。

ですが、お子さんのメンタル面でのケアや、将来にわたって精神的な不安定をもたらす不登校をしなくてもいいことを考慮すれば、これが最も現実的な解決方法だと思います。

今回のまとめ

発達障害児に対するいじめ解決が困難な場合には

  • いじめ解決よりも、お子さんのメンタル面でのケアを優先
  • いじめ問題の対応として、緊急避難的に期間限定で学校に行かないという選択は必要だが、不登校にさせることは避けた方がよい
  • 不登校になってしまうと本格的に学校に行けなくなってしまう。さらに、長期間の不登校は、学校や社会へ復帰することが困難になる

発達障害児に対するいじめ解決が困難な状況での親ができる対応策

  • いじめ発生原因にお子さんの非がまったくない場合、親ができる対応は2つ
  • (1) そのまま今の学校に通学させるという茨の道の選択肢。ただし、いじめ解決に向けて親御さんが徹底した対応が求められる。
    親御さんにもお子さんにも相当の覚悟と負担(勇気、時間、エネルギ ー)が必要となる可能性が高い。中途半端な対応では、いじめがもっと激しくなる可能性もある
  • 選択肢として、あまりおすすめできない
  • (2) の普通学級への「転校」という選択。親御さんにとってもお子さんにとっても、負担が最小限で済む。お子さんのメンタル面でのケアや、将来にわたって精神的な不安定をもたらす不登校をしなくてもいいことを考慮すれば、最も現実的な解決方法
  • 選択肢として、おすすめ

今回は、ここまでです。

発達障害児に対するいじめが発生した場合、なかなか解決できずに問題がこじれてしまうことがあります。

問題が深刻化してしまい、こじれてしまう要因とは何でしょうか。

事前にある程度理解できていると、対応策も見えてくる可能性もあります。

次回は、「(2) 発達障害児を原因とするいじめ」に対する対応策の続きです。お楽しみに。

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