バーナーを吹き付けている作業服の男性

前回、息子の先輩のA君をご紹介しました。A君の見た目はとても不器用そうな印象なので、A君を見たほとんどの方の印象は、マイナスイメージを抱いてしまう方が多いかもしれません。ですが、A君は誰にも負けない勤勉さをもっていました。

A君の勤勉さや一生懸命さは、見た人の心を動かす力がありました。そして、最終的にA君は、発達障害児にとっては、とても厳しい就職戦線を見事勝ち残ることができたのです。今回はこの続きです。

息子が高等特別支援学校に入学して、1年生の担任の先生は2名ついていました。うちの1人は清掃の専門学科の先生でした。1学期に初めての3者面談の機会があったので、A君について聞いてみました。すると、担任の先生は「ああ、あの子か」というそっけない反応だったのです。

続けて私が、「息子が本校を受験した理由の最後の決め手となったのは、A君のような素晴らしい先輩がいたからなのですよ」と伝えると、「えっ、なんで?」と言わんばかりに驚いた顔をされていました。私は「この先生は人を見る目がないなあ」とちょっと残念な気持ちになりました。

私は、本ブログでは「愛される子どもを育てよう」をテーマにしていますが、A君はまぎれもなく愛される子どもだと思います。おそらく、A君については、もともと障害が重かったのではないかと感じています。

そうだとすれば、A君が今の状態にまで改善するまでには、A君自身とそのご両親も相当なご努力をされて、大きな困難を乗り越えてきたのではないかと想像できます。おそらく、今の頑張りも過去からの続きなのだなと妙に納得させられます。A君は、動きがぎこちなくて仕事も不器用な感じです。でも、そんな子が頑張って仕事をしている姿に人は心を動かされるのだと思います。

A君には協調性がありますし、人に対する応対もとても丁寧です。ですが、野暮ったい雰囲気の見た目からA君のことを正しく理解できる人は、残念ながら、少数派なのかもしれません。しかし、A君のことをきちんと理解できた人は、おそらく、A君のファンになってしまうだろうし、そんなA君は、間違いなく愛される子どもだと思いました。

その後、A君はあるグループ企業の特例子会社から、就労の内定をもらうことができました。その会社の業態は、クリーニング事業がメインの会社です。A君が高等特別支援学校を卒業後、そこの社長さんが学校の保護者向けの講演にやってきました。私は、仕事の都合で残念ながら行くことができなかったのですが、妻が社長さんの話を聞いてきました。

A君はその会社で、店舗などに置かれている木製のプランターの加工、製作をしていたそうです。木製のプランターの表面にバーナーの火をあてて、おしゃれな風合いに仕上げるお仕事です。バーナーを使用するときは、目を保護するためのゴーグルを装着してやるのですが、ゴーグルをしていない箇所は、煤で真っ黒になります。A君は顔が真っ黒になるのを厭わずに一生懸命仕事を頑張っているようです。

社長さんは、A君がとても真面目に仕事に取り組んでいる様子をとても好意的にお話しされていたそうです。妻の話から、A君が今の会社でとても愛されているように感じました。社長さんもA君の頑張りを理解でき、ファンになった1人のようです。

なお、発達障害でも企業から欲しいと評価される人材、愛される子どもについては、こちらも参照してください。

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今回はここまでです。次回は、息子の先輩A君によく似ているB君の話です。お楽しみに。

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