「「就労を実現するための最低条件」を12年間(学齢期)で習得しよう」と書かれたホワイトボードを持つ作業服の男性と女性。

発達障害のお子さんの人生の最終目標が将来の幸せな生活であるならば、まず目指すべきは就労の実現ということになります。就労を実現するためには、就労するのに必要な最低限のスキルを、就労する時期までに習得しておく必要があります。

就労するのに必要な最低限のスキルは、就労を実現するための最低条件の各項目であり、その詳細は下記のとおりです。これをすべてクリアできていたとしても、必ずしも就労が実現するとは限りませんが、実現の可能性は確実に高くなると思いますので、お子さんの就労を目指しているならば、ぜひ、下記の条件の各項目の向上を意識した子育てをされることをおすすめします。

なお、下記の条件はあくまでも最低条件ですので、お子さんの能力の底上げをはかれれば、就労の実現の可能性はさらにアップします。この最低条件の各項目のうち最も重要な項目は、「協調性」です。協調性は就労の実現だけでなく、その就労を将来にわたって長く継続するためにも、特に重要な項目です。さらに、今後のあなたのお子さんの生活全般に、大きな影響を与える項目ですので、特に重視して習得されることをおすすめします。

<就労を実現するための最低条件>
  1. 最低限の学習能力(簡単な読み書き能力、簡単な四則計算能力、簡単な判断能力)
  2. 就労スキル(清掃の仕事の場合は、清掃に関するスキル)
  3. ある程度の体力
  4. 最低限のコミュニケーション能力
  5. 協調性

「就労を実現するための最低条件」について、十分理解を深めていただくために、こちらもあわせてお読みください。

「就労を実現するための最低条件」のスキルを、小学校入学から高校卒業までの期間の12年間に習得できればいいのです。12年間という期間は相当に長い時間ですので、あなたのお子さんの能力をあげていくには、十分な期間といえます。ですが、気をつけていないと子育ての12年間は、あっという間に経過してしまいます。

上記の最低条件のスキルを、どのようにどのような手順でお子さんに習得させていくかを、大まかでも意識していないと「環境に流されて、本来必要な子育てを見失ってしまう」ことがよくあることですので、とても注意が必要です。

「環境に流されて、本来必要な子育てを見失ってしまう」というのは、どういう意味なのかというと、発達障害児を抱える親御さんは、お子さんの就学先の環境に、とても流されやすい傾向にあるということなのです。

その影響で、お子さんに対して十分な子育てができなくなるだけではありません。本来習得できたはずの「就労を実現するための最低条件」のスキルをお子さんが習得できない事態に陥ってしまうことがあるのです。

ですから、十分にご注意いただきたいということです。実際にそのような親御さん、特にお母さんを本当に数多く見てきましたので、何とかならないものだろうかと、ずっと心を痛めてきました。

お母さんがそのような傾向にあるのは、忙し過ぎて心に余裕がないからだと思います。通常、子育てはその多くを負担しているのはお母さんですし、子育てだけではなく、家族の面倒をみるために家事のほとんどを引き受けているのも、お母さんです。さらに、パートなどの仕事もあれば、家庭内でのお母さんの負担は、はかりしれませんし、心に余裕をもってという方が無理なのかもしれません。

発達障害児を抱える親御さんは、お子さんが小学校入学時に就学先として、普通学級、特別支援学級、特別支援学校のいずれか選択をします。お子さんの就学先として、どの環境が合っているか合っていないかは、とても重要な問題です。ですが、それとは関係なくお子さんが在籍する就学先の環境に、あまり良くない意味で流されやすい傾向にあるので注意が必要だということを申し上げたいのです。

今回はここまでです。次回は、お子さんの就学先の環境で、発達障害児の親御さんが陥りやすい問題点について、お話しします。お楽しみに。

今回のまとめ
あなたのお子さんの人生の目指すべき最終目標
  • 将来の幸せな生活
  • 就労の実現
  • お子さんに「就労するのに必要な最低条件」のスキルを習得させる
阻害要因
親御さんが、お子さんの就学先の環境に流されやすい傾向にある
  • 必要な子育てを見失ってしまう
  • 「就労するのに必要な最低条件」のスキルを習得させることができなくなってしまう…
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