モンスター(フランケンシュタイン)

前回は、普通学級や特別支援学級では、わりとトラブルが生じやすいこと、トラブルが発生したらこじれる前に早めに対応することなどをお話ししました。特に、お子さんから事実関係について時系列で確認してから、担任の先生との話し合いに臨むことお話ししました。

どんなに事前準備しても、こじれてしまうことがあります。ですが、事前準備してあると、心に余裕をもって対応することができます。特に、話し合いがこじれる場合は、親御さんと担任の先生のいずれかの対応に問題があることが多いです。その問題点を簡単に見極める方法について、今回ご紹介します。

話し合いがこじれたときに問題点を簡単に見極める方法

トラブルの話し合いも、担任の先生とうまくまとまらない場合は、話をする相手が教頭先生や校長先生へとシフトしていくことになります。上位の先生に移行していくということは、既に問題がこじれているという状態です。このような場合、先生によっては、あからさまに迷惑そうな態度をとってくることもあります。

こういう状態にまで問題がこじれた場合、親御さんで立場から考えると、「先生たちからあからさまに迷惑そうな態度を取られるのは、もしかしたら、こちら側に問題があるのではないか」と不安に感じたりします。こういった問題は、学校内外ですぐに噂になったりもしますから、自分は周囲からモンスターペアレントと思われているのではないかと、不安になったりもします。

でも、こういう状態になったとしても、冷静さを失うとあまり良い結果が得られません。これらは、先生方がちょっと気の弱そうな保護者を丸め込もうするときに、よくやる手段でもあります。すべての学校の先生がこのようなことをするわけではありませんので、誤解の無いようにお願いします。ですが、学校の先生が自分自身の保身や組織防衛のために、安易に短絡的にこのようなことをすることがあるということだけは、心に留めていただければと思います。

このような状態のときに、どちらに問題があるかを簡単に見極められる方法があります。要するに、今、問題がこじれている原因が、モンスターペアレントのせいなのか、モンスターティーチャーのせいなのかということです。

今回の問題について、もう一度最初から経緯から思い返してみましょう。そして、トラブルの事実関係、トラブルの原因、親御さんと先生とのやり取りなど、すべての事象が「公(おおやけ)」になったと想像してみましょう。例えば、今回のトラブルがマスコミにリークされて世間に広く、多くの人々の目にさらされたとすれば、親御さんと学校側の先生のいずれかが困ることになります。この困ると思う方がモンスターなのです。

たとえトラブルが生じたとしても、自分自身に正義があれば、困ることは何一つありません。困るとすれば自分自身にやましいことがあるからです。やましいことをしているから、モンスターなのです。相手の方が弱い存在だから、ちょっと強い態度で押してやれば、相手が折れてくれるだろうとか考えて、トラブルを強引に解決したとしても、必ず遺恨を残します。後で事実関係が公になったときに、非難の対象になったりもします。

ですから、このような交渉や話し合いは、正攻法でやらないといけないと思います。他の保護者の理解も得ようと思ったら、そこに正義がなければ、万人の支持は得られないものです。親御さんの立場でしたら、わが子に非があった場合には、すぐに謝罪をすべきです。学校の先生も、間違いを犯すことはありますので、自分の対応に間違いがあった場合には、問題がこじれる前に相手に謝罪すべきなのです。

この手の問題は、良くも悪くも学校の内外の噂になります。周囲の方々は結構客観的に、冷ややかにトラブルの行方を見守っているものです。トラブルに巻き込まれたくないから、静観しているだけです。

正義をもって対応していれば、いずれ支持してもらえますが、そうでなければ、大きく信用を失うことになります。特に、学校の先生は、児童や生徒からのお手本となるべき存在ですから、不用意な対応や発言には気をつけていただきたいと思います。

今回のお話を書いているところに、とてもわかりやすい事例が発生しました。日本大学アメリカンフットボール部の危険タックル事件です。ここで、「担任の先生」を例の「監督、コーチ」に、「児童・生徒」を「危険タックルしたアメフト部員」に置き換えて考えると、もう一目瞭然です。

もしも、この事件が公にならなかった場合を考えてみましょう。怪我をした関学大のアメフト部員から傷害罪での告訴をされたら、日大の監督、コーチとアメフト部員の力関係から、アメフト部員が勝手に暴走して引き起こしたものとして処理されてしまった可能性が高いです。

危険タックルしたアメフト部員は若干20歳の学生ですから、悔しくても泣き寝入りになっていた可能性があります。ですが、彼のお父さんの英断で今回の事件が公になりました。その後の結果は、みなさんもご存知のとおりです。

彼のお父さんの英断は、息子を世間に晒して単独記者会見を開いたことです。これはある意味リスクのある行為ですが、この事件の全容を世間に知らせることで大事な息子を守ったことです。父親としては、とても勇気のいる決断です。

この事件でも、事件全容が明らかになって、困った状況に陥った方がモンスターだったのです。

私の経験では、どちらかがモンスターの場合、不必要にこじれることが多いように思います。どちらもモンスターでない場合は、トラブルでこじれることは少ないと思います。親御さんも先生もお互いに、モンスターにならないように気をつけたいものです。

今回のまとめ
  • トラブルの事実関係、トラブルの原因、親御さんと先生とのやり取りなど、すべての事象が「公(おおやけ)」になった場合、困ると思う方が、モンスターである。
  • 学校での交渉や話し合いは、正攻法でやるべきである。そこに正義がなければ、万人の支持は得られない。
  • 親御さんも先生もお互いにモンスターでない場合は、トラブルでこじれることは少ない。
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