発達障害の息子の学校内でのコミュニケーション "普通学級の9年間"(小中学校編)

息子は、小中学校ともに普通学級に在籍していました。小中学校時代は、大変ありがたいことに、息子はクラスメートにある程度はうけ入れてもらえていたようです。クラスメートにはいろいろな性格の子がいますが、息子のクラスは比較的優しい性格の子が多かったようです。
発達障害の息子とクラスメートの関係
クラスメートのなかには、積極的に息子に声がけをしてくれる子がいたようですが、息子はそれにどう応えていいかわからず、クラスメートの方も息子とのちょうどよい距離感をつかむことがむずかしかったようで、お互いに戸惑いがあったようです。
息子に対して親切な子どもが多かったようですが、残念ながら、友達関係まで発展することはなかったようです。学校内でのイベント時の団体行動では、息子のことを気にかけてくれる子が何人かいたようで大変ありがたく思っていましたが、普段は個人行動がメインですので、必然的に休み時間はひとりでいる時間が多かったと思います。
息子自身は、本心としては友だちが欲しかったようですが、ひとりで過ごす時間も、そんなに苦ではなかったようです。休み時間をひとりで過ごしていたときは、もっぱら、お気に入りのノートに好きなドラゴンクエスト(人気RPGゲーム)の武器や防具の名前や絵をかきこんで、楽しんでいました。絵は攻略本に描かれていたものを模写していたようです。
息子のクラス内での位置づけは、クラス全体の「弟」的存在だったと思います。普段はひとりで過ごすことが多かったようですが、仲間外れにされていたというわけではなく、クラスメートとちょうどいい距離感を、うまくつかむことができずにひとりでいたようです。それでも、運動会や遠足などのイベント時には、みんなに声がけしてもらっていたようです。これが、息子とクラスメートとのちょうど良い距離感だったのかもしれません。
息子がクラスメートにある程度、受け入れてもらえていた理由は、息子が小学校に入学時点で、ある程度「協調性(他者との適切な関係を築きたいという謙虚な心)」が育っていたからだと思います。息子がクラス内で、自分勝手な行動をとっていたら、担任の先生や他のクラスメートとの適切な関係の構築は、むずかしかったのではないかと思います。
担任の先生や他のクラスメートに、息子を好きになってもらうのはとてもむずかしいことです。ましてや愛してもらうことはもっと困難なことです。しかし、嫌いにならないでもらうことは、そんなにむずかしいことではないような気がします。
嫌われないということは、とても大事な気がします。嫌われさえしなければ、うけ入れてもらえる可能性があるということです。
発達障害児は、気をつけていないとクラスメートに嫌われることがあります。その原因はさまざまです。もしも、お子さんにその傾向がある場合は、その原因を特定してすぐに改善していきましょう。
嫌われさえしなければ、後は、きっかけさえあれば、適切な関係を築くことができるのではないでしょうか。運が良ければ、友だちをつくることもできるかもしれません。友だちができることは、お子さんにとっても親御さんにとっても、とてもうれしい出来事です。
また、その後のより良い人間関係を構築していくためにも、協調性はとても大事です。ですから、お子さんの協調性をしっかりと育てていきましょう。
協調性の重要性をご理解していただくために、ぜひこちらをご参照ください。
- 普通学級で、クラスメートにうけ入れてもらうためのヒント
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- クラスメートに嫌われないように気をつける
- クラスメートにうけ入れてもらうために、ある程度「協調性(他者との適切な関係を築きたいという謙虚な心)」を身につけさせよう
今回はここまでです。次回は「高等特別支援学校編」です。お楽しみに。