発達障害の息子の学校内でのコミュニケーション "企業も重視"(高等特別支援学校編②)

前回、高等特別支援学校で初めて息子に友だちができたこと、友だちができたおかげで学校生活が楽しくなったこと、余暇の過ごし方が充実したことをお話ししました。
今回は、どうして、コミュニケーション能力が大事なのかについて、お話しします。
就職活動で重要な要素を考える
息子が在籍していることから、私も息子の高校を何度か訪問し、授業その他の活動の様子を見学しました。そして、息子のクラスメート、担任の先生、専科の先生、就労支援担当の先生などとお話しする機会がよくありました。
先生方とお話ししているなかで、違和感を覚えることが多々あったのですが、そのなかでも、強い違和感を覚えたのが、コミュニケーション能力に関する考え方でした。
発達障害者の多くは、一般的にコミュニケーションが苦手です。コミュニケーション能力は、会社での人間関係に直結しますから、特に重要なのですが、先生方はそれよりも仕事ができるかどうかの就労スキルに強くこだわっているようでした。
就職活動において、確かに会社の採用担当者の目に留まりやすいのは、仕事ぶりです。ですから、仕事がしっかりできる能力があることをアピールするために、仕事ができるかどうかの就労スキルの向上を徹底する姿勢は大事です。しかし、コミュニケーション能力に対して興味が薄いような印象をうけたのです。
もちろん、先生方はコミュニケーション能力について、軽視していたわけではないと思うのですが、就労スキルをより重要視していて、そちらまで手が回らないようでした。
就職活動において、コミュニケーション能力は、ちょっと面接した程度では、採用担当者には見分けがつきにくい要素です。ですから、採用の可否の段階では、あまり重要視されない可能性もあります。しかし、会社の人間関係にかかわる重要な能力ですから、就労の継続に大きな影響を与える重要なものです。
就労の継続に重要なコミュニケーション能力
実は就職活動よりも、就労を継続していくことの方がよほど重要であり、むずかしいことでもあります。せっかく入社できたとしても、人間関係で会社を辞めざるを得なくなるような事態は、絶対に避けたいと考えています。
今、多くの会社では社内の活性化のために、社員のコミュニケーションを深めるために、さまざまな施策に力を入れています。そのために、福利厚生費として多額の経費を計上している会社もあります。その理由は、会社の離職率の低減だったり、社内の連携を高めて業績アップなどを目的としています。
会社でのコミュニケーションの重要性については、こちらもご参照ください。
ですから、学校でもコミュニケーション能力を高めるような練習や訓練が、必要なのではないかと考えているのです。会社で必要とされる最低限必要なコミュニケーション能力を、学んでいるだけで全然違うと思うのです。
- 就労では、就労スキル、コミュニケーション能力のどちらもとても大事
- 就労の継続の観点でも、コミュニケーション能力は重要
- 会社も社員のコミュニケーションを重要視している
今回はここまでです。次回は、「会社で必要とされる最低限必要なコミュニケーション能力」をご紹介します。お楽しみに。