発達障害 家庭でできるお手伝い(就労スキルアップ) お子さんが自ら進んでお手伝いするように <夏休み、スキルアップのチャンス!>

前回は、お子さんのお手伝いによるスキルアップには、お母さん側の問題、お子さん側の問題をクリアしていく必要があること、そしてお母さん側の問題の解決策についてお話ししました。

家庭でのお手伝いは、簡単にできることから始めましょう。難易度別のお手伝いをご紹介。さっそく、始めてみませんか?
お手伝いのメリット

ここで、もう一度お手伝いによるスキルアップについて、おさらいします。
将来、お子さんの就労の実現を目指すとしたら、就労のスキルアップは必須事項です。就労を実現するためには、「就労を実現するための最低条件」をクリアしていく必要があります。
これをクリアできても、必ずしも就労が実現するものではありませんが、確実に就労できる可能性がアップしているはずです。
「就労を実現するための最低条件」のうち、就労スキルについては、実践的なものは特別支援学校、高等特別支援学校などで学ぶことができます。就労スキルは学校でしか学べないかと言えば、家庭でも簡単にお手伝いという形で習得することができます。
このお手伝いは、家庭でも簡単にすすめることができるうえに、就労スキルアップを期待できるだけではなく、他にもさまざまな多くのメリットを享受することができますので、是非おすすめです。
お手伝いについて、具体的にどうすすめていいかわからないお母さんは、こちらをご参照ください。
子どもがお手伝いを嫌がる理由は?

前回でもお話ししましたが、家庭でのお手伝いは簡単にすすめることができますが、お子さんにやる気がなければ、なかなか親御さんが期待する成果ができないものです。ですから、今回は、家庭内でのお手伝いについて、お子さん側の問題の解決策を一緒に考えていきたいと思います。
お子さん側の問題を解決するためには、お子さんがお手伝いを嫌がる理由を知る必要があります。本編の以下の記事でご紹介した学習姿勢ができていない理由と、基本的には同じだと考えています。(お子さんの学習姿勢の習得には、下記をご参照ください。)
お子さんの学習姿勢ができていない理由と同様に、お子さんがお手伝いを嫌がる理由は、以下のとおりと考えています。
- 子どもがお手伝いを嫌がる理由
-
- 面倒だから、お手伝いしたくない。(スマホやゲームなどでもっと遊びたい)
- お手伝いをうまくやる自信がない。(いくら頑張ってもうまくできないから、もうやりたくない)
お子さんの「どうしてやらなければいけないの?」はどういう意思表示?

「なぜ、自分の子どもは、他の子どもと比べて勉強でも、お手伝いでもなかなかやる気を出さないのだろうか」と疑問に思うお母さんもいるかと思います。お子さんの気持ちは、お子さんの立場に立って考えなければわからないと思います。
そうすると、「勉強でも、お手伝いでも、どうしてやらなければいけないの?」という率直なお子さんの気持ちが見えてきます。
それは、私たちが子どもの頃に抱いた素朴な疑問でもあります。そこには、純粋に「どうしてやらなければいけないの?」という気持ちと同時に、「やりたくない」という2つの気持ちが共有しています。
「どうしてやらなければいけないの?」というこの素朴な疑問をもちつつ、本当はお子さん自身も「将来のためには、やっぱり、やらないといけないかなぁ・・・」と勉強やお手伝いの必要性を、何となくは理解しています。
ですが、面倒だなと思う気持ちやきっとうまくできないという自信がないという気持ちから、このような発言につながっていると考えています。
なぜそう考えるかといえば、私自身も子どもの頃、同じように考えていたからです。
ある程度成長した子どもは、親に言われなくとも何となくでも「将来のために、きちんとした大人になるためには、勉強やお手伝いをすること」の必要性を認識できています。
ですが、面倒だなと思う気持ちやきっとうまくできないという自信のなさの気持ちの方が強いため、「どうしてやらなければいけないの?」と親に対して反発してくるのだと思います。
子どもが前向きにお手伝いをするようになるには

子どもが、前向きにお手伝いをするようになるには、動機が必要です。
子どもの機嫌をとるために、何かしらのご褒美を提示する方法もあるかと思いますが、あまり強い動機にはなり得ないと思います。ご褒美がないとお手伝いをしなくなるリスクもありますので、あまり良い方法とは思えません。
ご褒美でお手伝いをさせるより、お母さんが大変だから手伝ってほしいと子どもにストレートに依頼する方が良いような気がします。
お母さんが困っているなら助けてあげたいという、お子さんの優しい気持ちを利用して始める方がいいかもしれません。ですが、この方法も一時的なものです。お子さんにお手伝いを始めさせるきっかけに過ぎません。
最初は簡単なお手伝いからスタートしますが、お子さんがお手伝いをクリアできたら褒めてあげてください。できれば、大げさに褒めてあげることが大事です。
そして、褒めると同時に、お子さんが家族の役に立っていることを伝えてください。さらに、お子さんが家族の役に立っていること、感謝する気持ちを伝えてください。
褒められて、ますますやる気に!

お子さんにとって、褒められることはすごくうれしい経験です。そうでなくとも、褒められる経験が少ない子どもにとっては、褒められることが何よりもうれしいご褒美になるかもしれません。
お手伝いによって家族から感謝されれば、家族の役に立っていると自覚することができます。
また、そのことは、家族のなかでの自分の立場や役割が明確になり、お子さんの精神的な安定をもたらすと思います。さらに、お手伝いのレベルが上がっていくにつれて、自分ができることが増えることで、生きること対する自信も生まれ自己肯定感にもつながることでしょう。
先ほどもお話ししましたが、お子さんにお手伝いをさせるには、強い動機が必要です。親御さんに褒められること、家族に感謝されて認められること、家族のなかでの自分の立場や役割が明確になることなどは、お子さんにとっては精神的に大いにプラスになります。
このレベルに達していれば、もうお子さんの方から前向きにお手伝いをするようになっているかと思います。
これが、お子さんにとってお手伝いを今後とも継続していくことへの、大きな動機にならないわけがないと考えています。褒められること、家族に感謝されることの良い循環が、お子さんのお手伝いをさらにレベルアップしていく動機につながると思います。
まとめ
- 家庭で簡単にできるお手伝い
- 就労スキルアップなど、大きなメリット
- 子どもにお手伝いをやる気がない場合
- お手伝いによる成果が期待できない
子どもがお手伝いを嫌がる理由(学習を嫌がる子どもと同じ)
- 面倒だから、お手伝いしたくない。(スマホやゲームなどでもっと遊びたい)
- お手伝いをうまくやる自信がない。(いくら頑張ってもうまくできないから、もうやりたくない)
「どうしてお手伝いをやらなければいけないの?」という反発の意思表示
- 子どもが、前向きにお手伝いをするようになるには、動機が必要
- お手伝いをクリアできたら褒めてあげる。褒めると同時に、家族の役に立っていることを伝える。さらに、感謝する気持ちを伝える
- 子どもにとって、褒められることがご褒美になる
- 家族から感謝されることで、家族の役に立っていると自覚できる
- 家族のなかでの自分の立場や役割が明確になり、精神的な安定を得る
- お手伝いのレベルが上がり、自分ができることが増えることで、生きること対する自信も生まれ自己肯定感にもつながる
- お手伝いをすることへの、さらに強い動機になる
今回はここまでです。次回は、お子さんのお手伝いする動機を、さらに強固にするための方策について、お話しします。お楽しみに。