サリーとアンの課題 人の気持ちや感情を発達障害の息子に理解させた効果的な練習方法

人の気持ちや感情を発達障害の息子に理解させた効果的な練習方法

前回、発達障害児が「サリーとアンの課題」を、スモールステップで理解できるようにするための攻略法をお話ししました。実は、過去に息子もこの課題にチャレンジしたことがあります。今回は、そのときのことをお話しします。

なお、「サリーとアンの課題」とその攻略法については、こちらをご参照ください。

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「サリーとアンの課題」息子、初めての挑戦

「サリーとアンの課題」に挑戦した息子

「サリーとアンの課題」は、病院などで行う発達障害の発達状況を診断するテストとして有名でしたので、息子にも一度試してみようと思ったのです。

息子に初めてこの課題をさせたのは、小学校3年生のときでした。

発達障害児は、人の気持ちや感情を理解するのがむずかしいといわれますが、それも発達障害の特性の1つです。

この時点で、息子は、相手の表情を見て、ある程度は喜怒哀楽を理解できるようになっていました。

また、公文教室での学習で短い文章ならば、ある程度は行間を読めるようになっていたので、この課題もクリアできるのではないかと期待していました。

息子が「サリーとアンの課題」を挑戦した結果は、理解できていませんでした。

アニメによる理解力の訓練

アニメが映ったテレビ

そこで、息子に人の気持ちや感情を教えるために私がしたことは、息子とアニメーションを見ているときに、

「この登場人物Aは、Bに対してどう思っているかな」

「Cは、なぜ、こんなことをしたのかな」

「今のDの気持ちはどんな気持ちかな」

など、その場面に応じて息子に確認していました。

始めた当初は、うまく答えられないことが多かったものの、徐々に理解を深めていったようです。

息子がうまく答えられなかったときには、詳しく説明して理解をさせました。

また繰り返し同じアニメを見て、同じ質問をするのも効果があると思います。登場人物の感情の推移を理解できるようになると、物語の全体の理解も深まります。

また、ある程度慣れてくると、別の角度から質問してみると、理解度がさらに深まります。

例えば、「この登場人物Aは、Bに対してどう思っているかな」について理解が深まったら、

逆に「Bは、Aに対してどう思っているかな」と視点を変えてみるとか、

AとBの関係性はどうなのか(仲がいいのか、または悪いのか)など。

Aのセリフや行動は、どういう気持ちからそうなったのか、それをBはどう受け止めているのかなど、徐々に高度な質問をしていきます。

お子さんの好きなお話から始めましょう

子どもに読み聞かせをしているお母さん

アニメは、具体的には機動戦士ガンダム(ガンダムシリーズ)を見ていました。この人の気持ちや感情を理解する練習では、思わぬ副産物もありました。

結果的に、息子の就労スキルのアップにもつながりました。具体的には、こちらをご参照ください。

小さいお子さんの場合には、例えば、絵本の読み聞かせなどで、同様に理解させることも有効だと思います。

絵本の方が話の内容が簡単なので、小さいお子さんには、まずここから始めた方が理解させやすいのではないかと思います。

なお、息子が小学校6年生になったとき、「サリーとアンの課題」を再チャレンジさせました。その結果は、きちんと理解できていました。

まとめ

発達障害児に、人の気持ちや感情などを理解させる効果的な練習方法

お子さんの好きなアニメなどを一緒に見て、登場人物の行動した理由やそのときの気持ちなどを答えさせる。初めはうまく答えられなくても、これを繰り返すことで、徐々に理解できるようになる

ある程度慣れてきたら、別の角度からの質問や徐々に質問の難易度をあげていくことで、お子さんの理解度をさらに深めていく

今回は、ここまでです。次回は、「人の気持ちや感情を理解して、コミュニケーション能力をアップする方法」について、お話しします。お楽しみに。

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