発達障害のお子さんの不登校、保健室登校の危機! そのとき、学校の対応は?

学校を舞台とした社会問題は、時代とともに推移しているように思います。
私の中学、高校時代は、校内暴力や受験戦争が新聞ネタとなっていたと記憶しています。大学に進学した頃からは校内暴力は沈静化していて、学級崩壊に話題が移りつつありました。
その後、就職・結婚を経て、息子たちが誕生した時期からは、学級崩壊の報道は徐々に減りはじめ、いじめや不登校が社会問題として世間の注目を集めるようになって、現在に至っています。
私の記憶では、私の学生時代には不登校はあまりなかったように思います。
いじめについては、昔からあったと思いますが世間の認知がすすんでクローズアップされるようになったのは、ここ10年ちょっとくらい前からだと思います。
いつの時代にも痛ましい事件が発生していますので、学齢期のお子さんをもつ親御さんは気が気ではないと思います。
特に、お子さんが発達障害の場合には、いじめの対象となる可能性が十分にありますし、トラブルにも巻き込まれやすいので、心配の種は尽きないのではないかと思います。
普通学級の発達障害児は、不登校になりやすい!?

発達障害のお子さんで普通学級に在籍の場合、少なくとも1度や2度は、不登校、または保健室登校となりかねない危機に直面する可能性が高いと思います。
その原因はさまざまですが、普通学級は発達障害のお子さんにとっては、とてもハードルが高い環境ですから、何らかのトラブルがその引き金になることがあります。
普通学級に在籍の発達障害のお子さんが、不登校や保健室登校になる原因の多くは、いじめや授業についていけないなどのケースがほとんどだと思います。
発達障害児がいじめの対象となりやすいのは、その障害特性が原因です。見た目だけでからかいの対象となってしまうことがあります。
また、発達障害児は、その場の空気を読むのが苦手な子どもが多いと思います。

不用意に相手を傷つけるような言動をしてしまうこともあり、それがクラスメートの不評を買ってしまい、いじめの原因となることもしばしばあります。
発達障害のお子さんが授業についていけないことも、意外に大きな問題です。授業内容を理解できずに、自席でおとなしくすわっていることはとても苦痛なことです。

それでも、自席でぼんやりしているだけならば問題はありませんが、教室を徘徊したり授業を妨害するような行為があれば、先生、クラスメートおよびその親御さんとのトラブルは避けられません。
発達障害児が普通学級に在籍していると、問題が生じやすい学年というのがあります。いじめに関しては、どの学年でも問題が生じやすいと言えます。
学習面では、小学校の低学年のうちは学習内容がわりと易しいので、問題は起きにくいのですが、よくいわれる「小4の壁」あたりから、学習内容がむずかしくなっていきます。
これまで何とか授業についていけていた子どもも、それ以降はそれがむずかしくなっていく可能性が高くなっていきます。中学も普通学級の場合は、それがもっと顕著になります。

みなさんも、ご自身が中学校で学習されたことでしょうから、おわかりのここと思いますが、数学はこれまでの算数とはむずかしさの次元が違います。
理科では1分野がとてもむずかしくなっています。健常児でさえもつまずきやすいところですので、授業についていくのはとても大変です。
息子の場合、私がつきっきりで学習させましたが、特に数学では、方程式、関数、理科の1分野では、電流、電圧、磁界の箇所はとても苦労しました。
発達障害のお子さんが普通学級に在籍している場合、さまざまなトラブルが生じやすく、また、授業についていくのもむずかしくなります。
その結果、不登校や保健室登校となってしまうケースが少なくありません。ですから、今回は、発達障害児の不登校にスポットをあてて考えていきたいと思います。
息子の卒業式での嫌な出来事

息子の中学校の卒業式は、とても違和感がありました。どの場面かといえば、卒業証書の授与のシーンでした。
卒業生が次々と名前を呼ばれ校長先生から順番に授与されていきます。私自身も親として、息子をここまで育ててきて何かを達成した気分にひたれる、思い出深い儀式となる予定でした。
ところが、名前を呼ばれても返事がなく卒業証書の授与もしない生徒が結構いたのです。
人数にして、10人以上はいたのではないかと思います。初めは、順番を間違えたのかなとか思ったりしたのですが、どうも様子が違います。
要するに不登校の生徒の名前も、出席番号順に呼ばれていたのでした。呼ばれた生徒は卒業式に出席していないので、名前を呼ばれたけれどもちろん卒業証書の授与はされないという奇妙な現象が起きていたのです。
こんなことは、誰の目から見ても不名誉なことですから、学校側もいちいち保護者に説明することもありませんでした。
私が卒業式のこの異様な状況の真実に気がついたのは、息子のクラスの卒業証書の授与の場面になってからです。
名前を呼ばれたのに卒業証書の授与がされない生徒が不登校の生徒だと気がついたからですが、すごく嫌な気分になったことを今でも憶えています。
息子が中学3年生のときには、息子と同じクラスに2名の不登校生徒がいました。2名のうちの1名は卒業式だけは出席しましたが、もう1名は卒業式も欠席していました。
不登校に無頓着な学校の現状

息子と息子の兄貴の中学校時代、合わせて5年間も中学校の先生との交流がありました。
ですが、学校側から不登校に対する問題提起や、学校として不登校に対する取り組みなど、学校側から説明をうけたことはありませんでした。
現実にも、学校側は具体的な取り組みはあまりしていなかったのではないかと思います。
ですから、わが子が不登校になったとしても、学校側はあまり親身になって対応はしてもらえない可能性が高いと思います。
学校側の不登校に対する取り組みが消極的なのは、私の息子たちの母校に限ったことではありません。おそらく、全国的な傾向だと思います。そうでなければ、不登校が社会問題になったりしないからです。
ですが、注意を払うといっても、どうしたらいいかわからないという方も多いかと存じます。
また、トラブルの当事者となっていると、なかなか冷静な判断ができないのではないかと思います。

さらに、親として取りえる選択肢も限られているかもしれません。ですから、どうすれば、お子さんにとって最善の選択肢かを考えていきましょう。
発達障害児にとって普通学級は、過酷な環境
(1) いじめの対象となりやすい。その原因として
- 見た目の障害特性から、からかいの対象となりやすい。
- 不用意に相手を傷つけるような言動をしてしまうことがある
(2) 学年が上がるにつれ、授業についていくのが徐々に困難になっていく。授業妨害などでトラブルになることも
上記(1)、(2)の結果、
普通学級に在籍中、不登校や保健室登校になりかねない危機に直面することがある
不登校について、学校側はあまり親身になって対応してくれない
わが子の不登校の危機には、親が対応するしかない
今回はここまでです。次回は、不登校の問題点について、深く掘り下げて考えていきます。
そして、わが子の不登校の危機に、親としてどう対応したらいいのかについて、一緒に考えていきましょう。お楽しみに。

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