発達障害のお子さんの不登校、保健室登校の危機! 子どもは話したがらない

子どもは話したがらない

前回は、不登校が社会問題にまで発展していること、不登校がその後の「ひきこもり」の原因になっていることをお話ししました。

また、親御さんにとって重要なことは、お子さんを「ひきこもり」「不登校」にさせないことがとても大事であることも、お話ししました。

お子さんを「ひきこもり」「不登校」にさせないためには、お子さんの異変をできる限り早く察知して、早めに対処してあげる必要があります。

今回は、お子さんを「ひきこもり」「不登校」にさせないための対応策について、一緒に考えていきましょう。

お子さんは、学校でのトラブルを親御さんには話したがらない

灰色のハートを持っている男の子

前回、発達障害のお子さんで普通学級に在籍の場合、少なくとも1度や2度は、不登校、または保健室登校の危機に直面する可能性が高いと申し上げました。

その原因はさまざまですが、普通学級は発達障害のお子さんにとっては、とてもハードルが高い環境ですから、何らかのトラブルがその引き金になることがあります。

学校でのトラブルやいじめの問題などが発生すると、子どもはギリギリまで頑張って登校を続けようとします。

多くのお子さんの場合、

「親に相談してもしかたない(親を信用していない)」

「親に心配かけたくない(親に負担をかけたくない)」

「自分自身がいじめなどで悩んでいることを、親に知られたくない(本人のプライドの問題)」

などの理由で、親にはなかなか相談しにくいものです。

私自身の学生時代を思い起こしても、余程のことがない限り、親には相談しなかったと思います。

ですから、あなたのお子さんが自分から「もう、学校にいきたくない」という言葉が出てくる頃には、既に深刻な問題に陥っている可能性が高いと思います。

膝を抱えている男の子

私の場合は、毎日息子と十分にコミュニケーションを取っていましたので、息子の異変にはすぐに気づいてあげることができ、早めに対応することができました。

もし、私が普段から息子と十分にコミュニケーションをとっていなかったとしたら、学校で嫌なことがあっても、たとえいじめられていたとしても、息子から私に相談してくるとすれば、相当深刻な状況に至ってからだったと思います。

息子とのコミュニケーションについては、こちらをご参照ください。

普段からのお子さんとのコミュニケーションが大事

 お母さんに一生懸命お話ししている男の子

お子さんからいきなり「もう、学校にいきたくない」と言われても、親御さんとしては戸惑ってしまうと思います。

そうならないようにするためには、普段からお子さんとコミュニケーションを十分とっておく必要があろうかと思います。

ですがそれでも、問題が発生してしまった場合、一番初めにするべきことは、冷静になることです。

人間とは問題の当事者になると弱いものですから、普段は大丈夫と思っていてもいざとなると動揺してしまうものです。

動揺したままでいろいろと対策を練っても、いいアイデアは浮かびませんし、そのまま対応しても良い結果は得られないものです。

ですから、まずは、冷静になりましょう。

その次にするべきことは、夫への相談です。

そして、お子さんから詳しい状況を確認することです。

時系列で確認して、記録にとっておいた方が良いです。

その次は、身近で相談できる人を探すことです。

夫以外にも身内で頼りになる方がいれば、なおいいと思います。

教育相談所などへの相談も有効だとは思いますが、教育相談所は教育委員会の1組織なので、身内に甘くなる傾向もありますので、注意が必要です。

トラブルが発生したときの手順になどについては、こちらも参考にしてください。

お子さんが普通学級に在籍している場合、トラブルが発生しやすいことをお話ししましたが、このトラブルにより親御さんに苦情がくるケースは、まだいい方です。(あまり良くはありませんが…)

親御さんが、お子さんのトラブルの存在をいち早く認識できるからです。

学校でのトラブルは、お子さんにとってはとてもつらい経験ですが、前出のとおり、お子さんはなかなかそのことを、親御さんに伝えようとはしない傾向にあります。

ですから、お子さんが自ら親御さんにそれを訴えるときには、相当深刻な事態に至っている可能性が高いのです。

学校が怖い中学生

私の知り合いの親御さんで、お子さんが普通学級でつらい状況に陥っているのに、それに気がつくことができずにお子さんが二次障害になってしまい、成人後もそれで苦しんでいるケースを知っています。

普通学級に在籍する発達障害児が、二次障害になってしまう不幸なケースは少なくありません。

ですから、発達障害のお子さんを普通学級に在籍させている親御さんには、いつもお子さんをしっかりと見守っていただきたいのです。

泣いている子どもの話を聞いているお母さん

親御さん自身が、気がつかないうちに、お子さんの不幸を招いてしまうことだけは、避けていただきたいのです。

それを防止する方法は、いくつかあると思います。

前出のお子さんとのコミュニケーションを密に取ることは、有効な方法です。

担任の先生とのコミュニケーションも密に取って情報収集することも、有効な方法です。

この場合、担任の先生に過度の負担にならないように配慮しましょう。

その他、抜き打ち的に学校を訪問し、お子さんの状況を直接確認する方法もあるでしょう。

この場合は、事前に学校側に許可を取ってください。

お子さんを守るための自衛手段の方法は、その他にもいろいろあると思いますので、冷静に対応していきましょう。

まとめ

普通学級に在籍するお子さんのトラブルに気づかないと…

  • 二次障害になるリスクがある

お子さんは、学校でのトラブルを親御さんには話したがらない

  • 親に相談してもしかたない(親を信用していない)
  • 親に心配かけたくない(親に負担をかけたくない)
  • 自分がいじめなどで悩んでいることを知られたくない(本人のプライドの問題)

お子さんの学校でのトラブルを早めに把握するために

  • 普段からのお子さんとのコミュニケーションを密にしておく
  • 担任の先生と連絡を密にして情報収集する
  • ときどき学校を直接訪問し、お子さんのようすを確認する

今回はここまでです。

普通学級は発達障害児にとっては、とても過酷な環境です。

お子さんを守るために、自衛手段を取ることはとても大事なことです。

しかし、どんなに自衛手段をとっても、お子さんがトラブルを生じさせたり、トラブルに巻き込まれたりすることがあります。

そんなとき、どうしたらいいでしょうか。

次回は、お子さんから「もう、学校にいきたくない」といわれたとき、どう対応したらいいかについてです。

問題解決に向けて、一緒に考えていきましょう。