いじめに負けるな 私と息子のいじめ解決奮戦記 ⑤ 不適切な関係を切り離す!編

前回は、いじめが悪循環に陥り、息子が深く傷ついていたことに気がついたお話でした。
いじめ解決をしようとする行動を邪魔しようとする勢力と闘う決意を新たにしました。
詳しくは、こちらをご参照ください。
今回は、「不適切な関係」を切り離すために行動したお話です。息子へのいじめ解決には不可欠なプロセスでした。

本文には、かなり衝撃的な内容も含まれますので、ご注意ください。(ショックをうけやすい方は、お読みにならない方がいいかもしれません)
主な登場人物
- いじめ加害者
- いじめリーダー格の兄弟(息子とは学年が違う)
(以下、A兄:当時、小学5年生、A弟:当時、小学3年生) - ※いじめの取り巻きの児童:C(当時、小学5年生:息子へのいじめの関与あり)の他、複数人あり
- いじめ兄弟の母親(以下、A母親:PTA幹部)
- いじめ被害者
- 息子(当時、小学4年生)
- 学校側
- 校長
膠着状況からの脱出に向けて

息子へのいじめを根本的に解決するためには、その問題の根源がどこにあるか見極める必要がありました。
息子へのいじめの実行犯はA兄弟とその取り巻きですが、A兄弟とその取り巻きが、いじめを継続できる環境を作っているのはA母親です。
また、学校側がA母親の肩入れする理由は、
- A母親がPTA幹部であること
- ボスママ的な存在で子分ママを抱え込んでいること
- 性格的に気が強く何かあれば力押しで学校側に詰め寄り、強引に解決してきた経緯があった
と考えました。
学校側の立場からすれば、まともにやり合うと面倒なことになるので、これまでA母親の都合の良いように対応してきたようです。
学校側もA母親に追従しているだけと考えれば、今回のいじめ問題の根源は、どうやらA母親であることが判断できました。
ですから、まずA母親を何とかしないと、息子へのいじめは解決できないと考えたのです。
しかし、A母親と直接対決したとしても、おそらく罵り合いの泥仕合になるだけだと十分予想ができましたので、まずは、学校側とA母親と不適切な関係の切り離しの作業が、必要だと考えたのです。

なお、子分ママについては、おそらくそのほとんどはA母親を信奉しているわけではなく、自分や子どもがいじめの対象になるのが怖いので、つき従っているだけだろうと想像できました。
ですから、A母親の学校に対する影響力が弱まれば、自然とA母親の取り巻きも解散するだろうとこちらへのアクションは不要と考えました。
学校側とA母親との不適切な関係の切り離し

学校側が私との話し合いにおいて、A母親に肩入れした理由は、私よりもA母親の方がより面倒な相手と認めていたからです。
要するに学校側が当初認識していた力関係では、「A母親>学校側>私」でしたから、それを逆転させる必要がありました。
これが学校側とA母親と不適切な関係の切り離しには、不可欠な作業でした。

今後の私の学校側への働きかけとしては、
- いじめの初動の段階での学校側の悪意ある対応でいじめを助長させたこと
- いじめが断続的ではあるものの、継続している事実は重いこと
以上を学校側に認識させることでした。
さらに、いじめによって息子の心が大きく傷ついていることも、伝えることにしました。
また同時に、A母親よりも私の方が面倒な相手と認識させることにしました。
その後はいじめが発生したら、私は学校を訪問し、校長、教頭、(A兄弟とその取り巻きの)担任に対して、いじめの再発防止をどう進めていくのか、チクチク責め立てていくことにしました。
それまでは、私の学校への訪問はいじめ発生の都度に1回だけに止めていましたが、再発防止の効果が出るまでは、継続して何度もしつこく、学校を訪問することにしたのです。
この頃には、学校側からA母親への露骨な肩入れはありませんでしたが、私への露骨な敵意のむき出しも止まっていました。
この時点で学校側とA母親と不適切な関係は、以前より弱まっていましたが、完全な切り離しまでには、まだまだ時間がかかる状況でした。
私は学校側に対して、
- 具体的にどのようないじめ解決への対策を取っているのか
- その対策の精度をあげるために、具体的にどういった努力をしているのか
などを責め立てました。
その際は、2時間以上は、あーでもない、こーでもないと話し合いを延々と続けていました。

時間をかけることで、学校側の反省を促したいと思ったのですが、おそらく、途中で音を上げてくるだろうとも予想していました。
私の本音としては、学校側が自主的に考えて、A母親と不適切な関係を解消して、学校側主導でいじめを解決できることを期待していました。
ですが、反面、おそらく無理だろうなとも考えていたのです。
その理由は「学校側がA母親との不適切な関係を解消するということは、A母親と対決しなくてはならないことを意味する」からです。
ですから、おそらく、学校側としてはA母親との対決を回避して、もう一度近いうちに、私との対決を選択してくることになるだろうと予想していました。
そして、ついにその日が来ました。
学校側との再度の対決

その頃、多い時には週に1回は、私は会社帰りに学校に寄っていました。
私はできる限り、きつい口調で、学校側に具体的に有効ないじめ解決策を策定のうえ、実行するように迫っていました。
そうすることで、学校側は私に反発して対決を挑んでくるだろうと考えていたのです。
本来ならば、どんな問題であっても穏便に話し合いで解決すべきですし、最初は、私もそれを望んでいました。
ですが、相手側がそれを拒んでいましたし、息子の状況からもあまり時間的な猶予がない状況でした。
いじめを早期に解決したいと考えていましたので、綺麗事はいっていられない状況だったのです。
ですから、私は学校側との再度の対決をする覚悟を決めました。
私が再度の学校側との対決をする決心をした理由は、学校側と私、そしてA母親との力関係を明確にして、学校側とA母親との不適切な関係を完全に切り離したかったからです。
これが実現しない限り、根本的ないじめ解決はあり得ないと考えていました。
以下、学校側との主なやり取り
(1) いじめの定義について


あなたはいじめがあったと何度も言うけど、そもそもいじめが何だかわかって言ってるの?いじめの定義は、何だかわかっているの?

校長先生こそ、いじめの定義をきちんと理解されているのですか?

……

文部科学省のホームページに、いじめの定義が掲載されていますが、もっとわかりやすい事例があったので、お話しします。
先日、企業側が多額の慰謝料請求の支払いを命じられた、セクハラ裁判のニュース報道をご存知ですよね。
セクハラというのは、そもそも、会社内でのいじめの一種なのです。
セクハラの認定はどのようにされたか、ご存知ですか?
加害者の行為によって被害者が不愉快に感じたら、それはセクハラなのです。
いじめも同じですよね。
文部科学省が定義するいじめの定義にも、ほぼ同じことが書いてますよね。

……
<ご参考 文部科学省の「いじめの定義」について(息子のいじめは、平成17年度以前でした)>
【参考】平成17年度以前の定義は以下の通り。
この調査において、「いじめ」とは、「①自分より弱い者に対して一方的に、②身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、③相手が深刻な苦痛を感じているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。」とする。
なお、個々の行為がいじめに当たるか否かの判断を表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うこと。
いじめの問題に対する施策(いじめの定義):文部科学省
※なお、文部科学省ホームページには、現行の「いじめの定義」の掲載もありますので、ぜひ、ご確認ください。
また、文部科学省の「いじめの定義」については、こちらの関連記事もご参照ください。
(2) 本来あるべきいじめの根本的な解決案を学校側へ提案


校長先生、息子はいじめをうけて、心に深い傷を負っています。
いつまで待てば、いじめが解決できるのですか。
校長先生はいじめを解決するつもりがないのですか。
それとも、いじめを解決するための能力に欠けているのですか

それは、言い過ぎではないのか。
先生たちも、一生懸命に頑張っているんだよ


一生懸命に頑張るなんてことは、当たり前のことです。
当たり前のことを、主張しないでください。
頑張れないのであれば、学校の先生を辞めていただくしかありません。
一般企業では、頑張ったうえで、成果をあげないと評価されないのですよ。
何を甘いことを言っているのですか

そう言われても、これ以上どう頑張れというのか

そもそも、学校側がA母親を特別扱いしたから、いじめの解決ができないのですよ。
そのところを学校側は、十分に認識して反省すべきなのです。
本来は、いじめ解決なんて簡単な作業なのですよ

そんなに簡単な方法があるなら、ぜひ、教えてほしい

学校内でいじめが起こるのは、学校にいる大人たち(先生方)が、いじめを黙認する土壌をつくりだしているからです。
口では『いじめはいけない』と言いつつも、いじめがあることを認めようとしないばかりか、いじめがなかったことにしようとする姿勢が学校側にあるんですよ。
学校側のそんな姿勢を見た子どもたちは、どう考えると思いますか。
『いじめをしても、問題ない』と考えると思いますよ。
その最たるものが、学校側のA母親への特別扱いです。
その息子たちは、『いじめをしても、学校がもみ消してくれる』と思っているのではないですか

……

ですから、いじめを根本的に解決するためには、学校にいる大人たち(先生方)が、『いじめを絶対に許さない』というメッセージを、学校内の全児童に伝えなければいけません。
もちろん、口だけではなく態度でも示していく必要があります。
それも、先生方全員が一丸となって協力しなければ、成し得ないことです。
『いじめを絶対に許さない』というメッセージが、学校内の全児童に伝わるだけではなく、心の底にまで浸透しないといけませんので、相当な時間と労力が必要になります。
ですが、この学校側の本気の姿勢が伝わることにより、いじめっ子たちは、いじめがしにくくなります。
たとえいじめが起こっても、早期解決が期待できるでしょう。
そして、近いうちには、学校内でのいじめはなくなりますよ

……
※ここで、校長先生に提案した「本来あるべきいじめの根本的な解決策」については、こちらの関連記事もご参照ください。
また、先生たちが無意識に出している、いじめを助長するような土壌についても、詳しく解説しています。
今回はここまでです。
校長先生との対決は、この時点では最終的に決裂します。
そして、次回は、いよいよ教育委員会へその舞台を移していくことになります。お楽しみに。

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