高等特別支援学校 就労を目指した授業をがんばって、みんな良い顔つきに成長!

高等特別支援学校はどんなところ?
高等特別支援学校はどんなところでしょうか。
主に発達障害児のなかでも知的な遅れが比較的軽い子どもたちが、就労スキルなどを身につけて一般就労を目指す特別支援学校です。
入学するには、学力試験、作業能力試験や面接などの難関試験があります。
その試験を突破してきているので、就労に向けた能力が高い子どもたちの集団ということができます。
授業を通じて、一般就労を目指します

高等特別支援学校の生徒たちは比較的能力の高い子どもたちですが、やはり発達障害の障害特性をもっています。
コミュニケーションが苦手だったり、その他の障害特性もあったりするので、就労に向けてそれらをどう克服していくかが課題になります。
発達障害児の就労の実現はとても大変なことですが、そのなかでも就労の実現に最も近いところにいる子どもたちです。
高等特別支援学校に入学できた生徒でも、就労への道のりには、相当の努力が求められます。
ですから、高等特別支援学校での授業を通じて、一般就労に耐えられるように成長を促すよう指導しています。
百聞は一見に如かず

今回は、息子が在籍していた高等特別支援学校について、さまざまな観点や視点からご紹介していきます。
ですが、あなたのお子さんが目指す学校とはおそらく、雰囲気や教育カリキュラムなど同じところもたくさんあると思いますが、まったく違うところもたくさんあると思います。
学校によって、千差万別の特色があります。
ですから、このブログでの情報は、あくまで、参考程度にとどめていただきたいと思います。
その理由は「百聞は一見に如かず」だからです。
高等特別支援学校の情報を人づてに聞いたり、学校のブログなどを見て、情報をどんなに収集したとしても、学校の先生や生徒たちの生の声が聞けるわけではありません。
また、生徒たちの生の活動を見ないと、本当の意味での生の情報を得ることはできません。
お子さんの将来を決めるものですから、高等特別支援学校を直接訪問して、あなた自身とお子さん自身の目と耳と肌で、本当の情報を知るだけではなく、感じてください。
何度も訪問して、学校を深く知ろう

一回だけの訪問では、十分な情報を得ることはむずかしいかもしれませんので、できる限り何回も訪問されることをおすすめします。

それも、文化祭や体験入学などの機会でもいいのですが、普段の授業、特に専門科の授業のようすを見学することができれば、よりその学校の実態を知ることができるでしょう。
就労を意識した授業に感心

学校見学では、通常の授業や就労スキルの習得のようすだけではなく、「ここの生徒は根性があるなあ」と感心させられるシーンを見ることができるかもしれません。
高等特別支援学校の専門科の授業は、わりと厳しいと思います。
就労を目指しているのですから、当然です。
授業の厳しさは、即戦力となる就労スキルを習得するのが大変なこともありますが、仕事に対する責任感を育てることも必要だからです。
専門科の担当の先生は、生徒全員を就労させる義務を負っていますから、生徒に対する指導にも熱が入ります。
清掃の授業であれば、清掃に対して熱意をもって指導しますが、清掃道具の後片付けまでも徹底させています。

生徒たちも清掃作業で疲れていても、商売道具である清掃用具の手入れや清掃機械のメンテナンスにも手を抜くことはありません。
こうしたことを在学中の3年間で、徹底して生徒に習得させます。
学校見学に来られる親御さんのなかには、授業内容が厳しすぎるのではないかと印象をもたれる方もいらっしゃるかもしれません。
高等特別支援学校の学校説明会では、おそらくほとんどの学校で、授業は厳しい旨の説明があるかと思います。
しかし、高等特別支援学校の生徒は、もともと能力の高い子どもを選抜させて入学させているうえに、その生徒たちがこの厳しい授業を乗り越えているからこそ、就職率が高いのです。
就労を継続していく力も育てます

高等特別支援学校の授業が厳しいのは、この学校が単に就労スキルを学ばせる場ではないからです。
就労を実現できたとしても、その就労を継続できなければ意味がありません。
就労の期間は、就労してから定年退職まで数十年もあります。
その間、実際の就労の現場では、さまざまな壁にぶつかる可能性があります。
ちょっとくらいのつらいことがあったとしても、それを乗り越えていけるくらいの精神力が必要です。
そういったことも、高等特別支援学校での授業をとおして学ぶことができます。
ぜひ、お子さんと一緒に見学を

学校への訪問は、できる限りあなたのお子さんも連れて行ってあげることをおすすめします。
お子さんが学校に何度も足を運ぶことによって、より深く学校のことを理解できるでしょうし、その後の就労の実現も意識するようになれば、なおいいと思います。
何よりも、生徒たちのようすを見てお子さんに何か感じるものがあれば、それだけでも収穫があったといえると思います。
おそらく、高等特別支援学校に入学できたとしても、入学後の教育カリキュラムは少し厳しい内容であるため、それに慣れるまでは、あなたのお子さんは、しばらくの間はつらいと思うかもしれません。
しかし、あなたのお子さんにとってもっとつらいことは、高校を卒業時点で就労が実現していないことです。
充実した学校生活の先に大きな成長が

高等特別支援学校の厳しい授業を経験することにより、あなたのお子さんは、最終的にその後の一般企業の就労に耐えうるだけの成長をすることができるでしょう。
おそらく、そのときのあなたのお子さんは、良い顔つきになっていると思います。
実際、高等特別支援学校の生徒たちの顔つきをみると、成長の跡がうかがえ良い顔つきになっています。
彼らからは、頼もしささえ感じることができるかもしれません。
企業が求めているもの

息子が在籍していた高等特別支援学校には、農業や園芸のコースがあります。
このコースの生徒たちの作業場は、屋外であることが多いです。
炎天下のなか一日中、黙々と作業を続けています。
熱中症を予防するために、水分補給をまめに行いながらの作業です。
生徒たちは、日々の作業のなかで、就労スキルだけを学ぶわけではありません。
作業を通じて、真面目さ、勤勉さ、根気強さ、そして、多少の困難ではくじけない精神力や根性なども習得していきます。

これこそ、企業の方々がもっとも求めるものです。
企業の採用担当者は、今どきの子どもたちは、甘やかされて育っているという印象が強いために、採用してもちょっとでもつらいと思ったら、すぐに辞めてしまうのではないかと障害者雇用を躊躇する気持ちをもっています。
逆に、一般的に体育会系の生徒の就職率がわりと良い理由は、実はこのあたりにあるのだと思います。
高等特別支援学校でも、上記のような生徒たちをみれば、企業の採用担当者の方々も印象を改めてくれるかもしれません。
企業の採用担当者は、真剣に見ている

障害者雇用を検討している企業の担当者も、高等特別支援学校をよく訪問しています。
これまで、障害者雇用を経験していない企業の採用担当者は、高等特別支援学校の生徒たちを、採用しても大丈夫かどうかの判断材料とするためです。
また、既に障害者雇用を既に実施している企業の採用担当者は、その学校の職業の授業のようすを見て授業レベルの確認、生徒たちの就労スキルなどの習得状況を確認したりしています。
もしかしたら、即戦力になりそうな生徒たちの物色までしている可能性もあります。(私が企業の採用担当ならば、そうします)
「障害者雇用する企業は何を重視しているか」については、こちらで詳しくお話ししています。
思いがけないものが重視されています。
誇らしい卒業式

息子が、高等特別支援学校を卒業した年の同級生は、その全員が就労を達成できました。
就労率100%というのは、高等特別支援学校でもなかなか達成できないことです。
卒業式の当日は、息子をはじめ他の生徒たち全員が誇らしげな良い顔つきになっていました。
担任の先生も、生徒の保護者たちも喜びを共感し合っていました。
私にとっても、人生のなかで滅多にない感動の1日でした。
まとめ
高等特別支援学校ってどんなところ?
- 主に発達障害児のなかでも知的な遅れが比較的軽い子どもたちが、就労スキルなどを身につけて一般就労を目指す特別支援学校
高等特別支援学校を良く知るためには
- 人づての情報や学校のホームページだけでの情報収集では本当のことはわからない
- 本当の情報を得るためには、直接学校に何度も足を運んで、学校の先生や生徒たちの生の声を聞くこと。生徒たちの生の活動を見ること。また、目と耳と肌で情報を知るだけではなく、生徒たちのようすを感じること
高等特別支援学校で生徒が習得するもの
- 作業を通じて習得するものは、就労スキルだけではない。真面目さ、勤勉さ、根気強さ、そして、多少の困難ではくじけない精神力や根性も習得する
- これこそ、企業の方々がもっとも求めるもの
今回は、ここまでです。
次回は、文化祭での高等特別支援学校の生徒たちの元気な姿をご紹介します。お楽しみに。

文化祭で、愛情を注いで作った野菜の販売。販売方法も心を込めて、ひと工夫。生徒たちの生き生きをした姿に、元気をもらえます。
なお、高等特別支援学校の受験対策については、こちらでご紹介しております。