高等特別支援学校の文化祭 僕たちの自信作、どうぞ召し上がれ!

前回は、高等特別支援学校がどんなところなのか、かなり踏み込んでご紹介しました。
また、なぜ、高等特別支援学校の就労率が高いのかもご理解いただけたと思います。
詳しくは、こちらをご参照ください。

高等特別支援学校で、学べるものは就労スキルだけではない。なぜ、卒業生の就労率が高いのか…。その秘密もご紹介。
見どころ満載!文化祭

今回は、そんな高等特別支援学校の生徒たちの文化祭のようすをご紹介します。
文化祭というのは、普段の生徒たちの活動やその活動で得られたことなどを、世間の方々に広く知っていただくには丁度良い機会です。
特に高等特別支援学校の生徒たちは普通高校と違い、普段から特色のある活動をしていますから、その授業で得られた成果物も特色のあるものばかりです。
さらにその成果物に工夫を凝らして、より良くディスプレーなどをすることにより効果的なアピールになります。
そんな事例をご紹介します
農業コース ファンも多いとれたて野菜

息子が在籍していた高等特別支援学校には、農業コースがありました。
そこでは、授業の一環として、米、季節の野菜などを無農薬で栽培していました。
収穫した野菜などは、地元の各種イベントや学校の文化祭などの機会に販売していました。

販売は、担当の先生と生徒たちが大声を張りあげながら、その日に収穫したばかりの新鮮な野菜を提供しており、地域の評判も上々のようでした。
実際、私自身は息子の学校の文化祭のときに、野菜をよく購入していましたがなかなかよく育っており、取れたての野菜はスーパーで販売されているものと、まったく遜色がないどころかそれ以上と感じるものばかりでした。
生徒たちの就職率アップを考える 先生方との中身の濃い勉強会

実は、息子がこの学校に入学してすぐに、教頭先生、主幹の先生らとなぜか意気投合して、2か月に一度、土曜日の午前中に勉強会を開催することになりました。
出席者は任意でしたが、気持ちのある先生が毎回複数人参加していただき、とても中身の濃い勉強会になったと思います。
残念ながら、翌年には教頭先生、主幹の先生が異動となってしまったため、勉強会もそこで終了しました。
勉強会では、さまざまな議題について話し合いました。
議題は主には、如何に生徒たちの就職率をあげられるかでしたが、さまざまなジャンルにまで議論が及びました。
議題のなかには、高等特別支援学校の生徒たちが、一生懸命育て上げた野菜たちをもっといい形で販売する方法についても、みんなで知恵を絞っていました。
できれば、野菜を販売しながら、学校のアピールができたらと考えていたのです。
私は、生徒たちが育てたさまざまな野菜を使って豚汁をつくって、文化祭時などで販売したらどうかと提案しました。
その際は、生徒たちが丹精込めて育てた野菜で作った豚汁をアピールポイントにしたいと考えたのです。

ですが、豚汁はちょっとハードルが高かったようで、最終的には、じゃがいもを使ってじゃがバターを学校内の喫茶コーナーで販売することになりました。
心のこもったレシピにほっこり

また、農業コースの生徒たちは、新しい販売方法で野菜の販売をしていました。
おそらく、先生と生徒たちが一生懸命考えたのだと思います。
私が感心したのは、野菜を販売する際にその野菜を使ったレシピメモを添付して販売していたことです。
この手法は既に、スーパーマーケットでのマネキン販売でも使われている手法ですが、高等特別支援学校の生徒たちが自らそれを考え、実践していることに驚かされたのです。
そのときに販売していた野菜は、10種類以上はあったと思います。
それぞれの野菜にそれぞれのレシピメモを添付していました。
レシピメモは、生徒たちの手書きで作成されていました。
味のある文字で書かれており、とてもかわいらしいイラストもついていました。
気持ちのこもったレシピメモに、何か心が暖かくなるのを感じると同時に、発達障害の生徒たちがみんなで考えて工夫して野菜を販売していることに、とてもうれしく思いました。

おそらくこれらの経験は、将来の就労や将来の生活にきっと生かされるであろうと思います。
まとめ
- 高等特別支援学校の農業コースの生徒たち
- 農産物の無農薬栽培だけではなく、生産物の販売も頑張っている
- 農業のスキルだけではなく、販売スキルも習得
- 農産物の販売を通じて学校での活動をアピール
- 農産物の販売方法も、生徒たちみんなで考えてひと工夫
- それぞれの野菜に、それぞれのレシピメモを添付して販売
今回はここまでです。
次回は、フードコースのパン作りおよび販売をご紹介します。お楽しみに。
なお、高等特別支援学校の受験対策については、こちらでご紹介しております。