発達障害 時間の計算(入試模擬問題)にチャレンジ!②(高等特別支援学校の入試の過去問題から)

前回は、「時刻」「時間」の概念の確認、時間の計算の例題演習をいたしました。
今回はその続きです。
時間の計算の問題②【当ブログオリジナル模擬問題:問題編】
Aさんが10時40分に自宅を出て、駅に着くのに50分かかりました。Aさんが駅についたのは、何時何分でしたか。

Aさんが自宅を出て、11時20分に駅に着きました。自宅から駅に着くまでに30分かかりました。Aさんが自宅を出たのは、何時何分でしたか。

時間の計算の問題②【当ブログオリジナル模擬問題:解答・解説編】
Aさんが10時40分に自宅を出て、駅に着くのに50分かかりました。Aさんが駅についたのは、何時何分でしたか。

(1)アナログ時計を使って解く方法

駅に着いた時刻は自宅を出た時刻の50分後だから、長針は⑧から⑥まで50目盛り進んで、時刻は11時を過ぎてからさらに30分後の時刻。
だから、答えは11時30分
(2)計算で解く方法
(駅に着いた時刻)は、(自宅を出た時刻)に(自宅から駅に行くのにかかった時間)を足し算することで求められる。

※足し算をした際、分(の位)は40分と50分を足すと合計は90分になりますが、90分という時刻はないので、1時間を繰り上げる。そのとき、1時間=60分なので、繰り上がった時間は60分。
分(の位)の残りは30分。
時間(の位)は、1時間繰り上がったので、10時に1時間を足して11時となる。
したがって、答えは、11時30分。
Aさんが自宅を出て、11時20分に駅に着きました。自宅から駅に着くまでに30分かかりました。Aさんが自宅を出たのは、何時何分でしたか。

(1)アナログ時計を使って解く方法

自宅を出た時刻は、駅に着いた時刻よりも30分前だから、長針は④から⑩まで30目盛り戻った時刻。
自宅を出た時刻は、10時台に戻ってさらに10分前だから、答えは10時50分。
(2)計算で解く方法
(自宅を出た時刻)は、(駅に着いた時刻)から(自宅から駅に行くのにかかった時間)を引き算することで求められる。

※引き算をする際、分(の位)は20分から30分は引けないので、時間(の位)から1時間を繰り下げる。
時間(の位)は、1時間繰り下がったので、11時から1時間を引いて10時となる。
そのとき、1時間=60分なので、分(の位)に繰り下がった時間は60分。
元の20分と繰り下がった60分を足すと80分になる。
この80分から30分を引くと、分(の位)は50分となる。
したがって、答えは、10時50分。
時間の問題を解くポイント

ここでは、解答例を2種類(アナログ時計を使って解く方法、計算で解く方法)を用意しましたが、「計算で解く方法」は必ずマスターした方が良いと思います。
その理由は、実際に出題される問題は、この例題演習より複雑な問題が出題される可能性があるからです。
この例題演習より複雑な問題とは、実際には分単位まで求める問題、長針が1周以上(1時間以上経過する)の問題が出題される可能性があるということです。
その場合、「アナログ時計を使って解く方法」では間違いやすいと思われるからです。
時間の計算に関する問題は、日常生活でもよく経験することですから、生活上でも必要な知識です。
また、高等特別支援学校への入学を目指しているなら、ぜひ、クリアしておきたい課題でもあります。
つまずきやすい時間の問題

時間の計算に関する問題は、健常児でもつまずきやすいむずかしい問題でもあります。
時間の計算がむずかしい理由は、時間が他の計算と違い60進法だからです。
例えば、1時間30分という時間は、1時間半とも表記できます。
小数で表記すると、1.5時間です。
30分は0.5時間です。とてもわかりにくいです。1時間30分 = 1時間半
小数で表記すると、
1時間30分 = 1.5時間
30分 = 0.5時間
20分の場合は、小数では0.33333・・・時間となってしまいます。
分数であれば、20分/60分=1/3時間と表記できます。
20分/60分 = 1/3時間
これは分を時間に変換したものです。
この単位の変換は、小学校で学習する算数のなかではもっともむずかしい「比」や「割合」を、理解できていないとちょっとむずかしい課題かもしれません。
どちらにしても、一朝一夕ではクリアすることはできませんから、あせらずに少しずつ習得させていくことをおすすめします。
これらをお子さんに習得させるには、時間の計算のドリルで、お子さんの理解度を確認しながら、さらに理解を深めていく必要があります。

時間の計算のドリルでおすすめは、「ドリルの王様」です。
時間の計算問題については、基礎問題から応用問題まで小刻みに幅広く網羅しており、さらにスモールステップでやりやすい教材だと思います。
また、小学生向けのドリルとしては、時間の計算問題だけに特化したドリルがあるのは、うれしい限りです。
一部の問題については、無料ダウンロードができますので、内容をご確認のうえお試しください。ぜひ、おすすめです。
なお、高等特別支援学校の受験対策については、こちらでもご紹介しております。
まとめ
「時刻」「時間」の概念について
- 「時刻」の概念(点のイメージ)
- 「今、何時?」の今の「○時○分」が「時刻」
- 「時間」の概念(線のイメージ)
- 「時間が3分間かかる」の「3分間」が「時間」
時間の計算問題の解き方
- 計算で解くときは、繰り上げ、繰り下げの計算に注意
- ※ 1時間=60分なので、繰り上げ、繰り下げも60分となる
今回はここまでです。
次回は、時間の計算の例題演習の続きです。お楽しみに。
模擬問題ダウンロード
時間の計算の問題②(問題用紙)

全2枚(PDF文書)
基本的な時間の計算の問題です。
まずは、ここを確実にマスターし、実践的な問題にステップアップしていきましょう。
時間の計算の問題②(解答・解説)

全5枚(PDF文書)
市販の学習ドリルにはないわかりやすい解説を心がけました。
学生時代から多少ブランクのある親御さんでも、簡単にお子さんからの質問に答えられるように工夫しています。