「将来のこと、かんがえてみよう!」先生と中学生たち

最終目的は、お子さんの将来の幸せな生活

ハッピーな男性と女性

人間にとって人生を生きる最終目的は、幸せになることです。

健常児でも発達障害児でも、それは同じです。

発達障害児でも将来の幸せな生活を考えた場合、どうしてもある程度のお金は必要となってきます。

まあ、お金はたくさんあるに越したことはありませんが、多くの庶民には縁遠いものです。

ですが、現実問題として、あなたのお子さんが将来の幸せな生活を過ごすためには、最低限の生活費と余暇を楽しむための最低限のお金は必要となります。

お給料の通帳を嬉しそうに眺めている作業服の男性を女性

ここで大事なのは、生活費だけではなく、余暇を楽しむためのお金も必要だということです。

人は、ただ生きているだけではありません。せっかくの人生ですから、趣味などで楽しく過ごすことも大事なことです。

観光を楽しんでいる男性と女性

たまには、外食しておいしいものを食べたり旅行に出かけたりして、非日常の生活も楽しむことは、人生のなかで大いに潤いを与えてくれるものです。

しかし、そうなると、それらを支えてくれる経済的な裏づけが必要となってきます。

そう考えると、発達障害児の将来の幸せな生活を支えるものは、経済的な裏づけとして就労の実現ということになります。

ただ、ここで考えなくてはならないのは、就労の実現だけでは不十分です。

なぜなら、幸せな生活を得て、それを継続していくためには、就労を継続させて継続した収入源を確保しなければならないからです。

幸せになるためにお金が必要ですが、そのお金を老後まで継続的に稼ぐことを見込めなければ、意味がありません。

それを踏まえたうえで、就労を実現させるためにはどうしたらよいかを、考えてみましょう。

就労を実現させるためにはどうしたらよいかを、考える高校生

お子さんの就労を実現させるためには、以下の「就労を実現するための最低条件」をクリアする必要があります。

この条件すべてをクリアしても、必ずしも就労ができるわけではないのですが、確実に就労できる可能性がアップしていることは、間違いありません。

<就労を実現するための最低条件>
  1. 最低限の学習能力(簡単な読み書き能力、簡単な四則計算能力、簡単な判断能力)
  2. 就労スキル(清掃の仕事の場合は、清掃に関するスキル)
  3. ある程度の体力
  4. 最低限のコミュニケーション能力
  5. 協調性

なお、「就労を実現するための最低条件」については、こちらにて詳しく解説していますので、ご参照ください。

「就労を実現するための最低条件」をクリアするためには、できる限り早いうちから準備を進めていく必要があります。

また、その最低条件をお子さんが無理なくクリアしていくために、お子さんにとって無理のない環境を用意してあげる必要があります。

つまり、お子さんにとって無理のない就学先、または、多少の無理があってもお子さんが精神的に安定して成長できる就学先を模索することが大事だと考えます。

就学先候補のメリット、デメリットはどうなの?

家族みんなで?(はてな)

発達障害児の小中学校の就学先、進学先の候補としては、普通学級、特別支援学級、特別支援学校の3つです。

それぞれに特徴があり、それぞれにメリットもあればデメリットもあります。

お子さんの初めての就学先の選択では、普通学級を希望される親御さんが圧倒的に多いと思います。

以前、運営していた発達障害児の親の会に参加していた親御さんのほとんどは、お子さんの就学先として普通学級を希望されていました。

多くの親御さんが、お子さんの就学先として普通学級を希望する理由は、いくつか考えられますが、大まかには2つだと思います。

1つは、親御さんが、お子さんの障害を受容できていない場合です。

お子さんの障害を受容できていないことは、同じ障害をもつ親として心情は理解できるのですが、とても不幸なことです。

お子さんに対して、どのような対応をするにしても、まずは、お子さんの障害を認めなければ、先にすすめないからです。

この場合は、まず、お子さんの障害を認めることからスタートになります。

本来、発達障害で一番つらい思いをしているのは本人ですから、親御さんには早くそれに気づいてほしいと思います。

子どもをハグしているお母さん

もう1つは、発達障害児が将来の目標として就労を目指すにあたり、わが子にどういうプロセスを経て就労させれば良いのか、わかっていない、または知らない親御さんが多いからと考えています。

特に、お子さんが小学校に入学以前の親御さんにとって、お子さんの就労は未知の領域です。

健常児と同じようなプロセス(普通学級に入って、普通高校、大学などへ進学)でないと、就労できないと思い込んでいる方が多いからだと思います。

悩んでいるお母さん

しかし、普通学級は、一般的に発達障害児には過酷な環境です。

発達障害児は知的な遅れがある子どもが多いですから、授業についていくのがとても大変です。いじめが起こりやすい環境でもあります。

また、普通学級ではさまざまな場面において、自分で判断して行動することを求められます。

体育の授業では、休み時間のうちに体操着に着替えて、校庭または体育館に移動する必要があります。

音楽の授業では、教科書、リコーダーや鍵盤ハーモニカを持って音楽室に移動する必要があります。

鍵盤ハーモニカを弾いている小学生

その他にも、日直当番、給食当番、掃除当番などクリアしないといけない課題がたくさんあります。

それができないと、クラスメートとトラブルが生じがちです。

普通学級で求められる行動をクリアできて、授業にもある程度ついていける状況にないと、普通学級への在籍はあまりおすすめできません。

なお、特別支援学級、特別支援学校については、発達障害についてある程度理解のある環境です。

発達障害児にとってはメリットの多い環境ですが、気をつけていないと思わぬデメリットもありますので、注意が必要です。

お子さんの就学先に迷われている親御さんについては、こちらもご参照ください。きっと、参考になると思います。

あわせて読みたい

就労を実現するために、お子さんにとって最適な就学先とは?

就学先を考えている親子

あなたのお子さんの就学先候補にはそれぞれメリット、デメリットがありますが、それを踏まえて、最終的に就学先を決定する必要があります。

どの就学先が優れているということではありません。あなたのお子さんにとって、どの就学先が最も合っているかということが大事なのです。

発達障害児が将来の就労の実現を目指したとき、その就労を実現させてくれると期待できる進学先を考えなくてはなりません。

発達障害児にとってどのような学校に行くことが、就労の実現にもっとも近道なのでしょうか。

結論から言えば、就学先については、お子さんにとって最適な環境を選択すべきです。

なぜなら、お子さんの能力などに合わない就学先の場合、周囲とのトラブルなどで、親御さんお子さんともに苦しむことになるからです。

悩んでいる親子

また、選択した就学先でのトラブルが頻発することにより、通常ならばお子さんが習得できたものが習得できなかったり、お子さんの成長をうまく促すことができない事態に陥ることもあります。

例えば、前述しましたが、普通学級については、発達障害児にとってはとても過酷な環境です。

普通学級ではさまざまな場面において、自分で判断して行動することを求められますので、それをクリアできる状況になければ避けた方が良いと思います。

あなたのお子さんの就学先を選択する際に最も重要なことは、最終的にお子さんの就労を実現することです。

この最終目標さえブレなければ、きっとうまくいきます。

そのためには、「就労を実現するための最低条件」をクリアする必要があります。

ガッツポーズをしている作業服の男性と女性

お子さんに「就労を実現するための最低条件」をクリアさせるためには、お子さんが無理なく最低条件を習得できる環境が必要です。

そうした環境でなければ、お子さんの成長を促すことがむずかしいからです。

ですから、できる限りお子さんにとってストレスが少なく、楽しく成長できるような就学先が望ましいと考えます。

この観点で、お子さんにとって最適な就学先を選択することを、おすすめします。

それが、お子さんにとって最適な環境なのです。

就学先、進学先を選択するうえでの注意点

勉強が分からなくて困っている男の子

発達障害児といっても、いろいろなタイプの子どもがいます。

タイプを知的な遅れの有無で分けて考えると、わかりやすいかもしれません。

知的な遅れの有無によって進学できる学校の選択肢が変わってくると思います。

発達障害児のなかでも、知的な遅れが少ない子どもについては、普通学級から普通高校、そして大学進学という健常児と同じようなルートで、就職を目指している子どももいると思います。

ここで気をつけたいのは、親御さんの多くはお子さんの評価するときに、特に学習面だけを特別視する傾向があることです。

知的な遅れが少ない、または知的な遅れがない子どもでも、発達障害特有の障害特性があるわけですから、健常児のようにうまく対応ができないことが多々あります。

知的な能力が高い分、学力面で他の劣っている能力をすべてカバーできるかといえば、そうとは言い切れないと思います。

ですから、学習面だけではなく、さまざまな面から総合的に評価して、お子さんが将来的に困ることのないような選択をしていただきたいと思っています。

考えるお母さん

特に、注意すべきことは、就職後の問題です。

勉強ができる能力と仕事で成果をあげられる能力は、根本的に違うということなのです。

これを十分にご理解のうえ、後悔の無い選択をしていただきたいのです。

発達障害児の就労へのプロセスは?

小学生の男の子と女の子

ここで、発達障害児の就労へのプロセスを簡単にご説明します。

発達障害児の就学先としては、小中学校は、普通学級、特別支援学級、特別支援学校とさまざまです。

しかし、発達障害児のなかでも、知的な遅れがある子どもについては、おそらくほとんどのお子さんは、高校は特別支援学校(高等部)への進学になろうかと思います。

なぜなら、普通高校(普通科)に入学するためには、一般入試に合格する必要があり、知的な遅れがある発達障害児には、ハードルが高いからです。

さらに、その後の就職を考慮した場合、普通高校では就労スキルを習得することができないからです。

普通高校でも工業高校、商業高校では、就労スキルを習得することができます。

しかし、これらの学校では発達障害の生徒の就職活動において、十分なフォローをうけることがむずかしいのではないかと思います。

特に、障害者枠での就職に関するノウハウがない可能性が高いと思います。

ですから、健常の生徒との真っ向勝負での就職活動となりますので、かなり不利になることが予想されます。

その点、特別支援学校(高等部)では、職業訓練をうけることができますので、就労スキルを習得することができます。

また、就職活動も、一般の学生と違い職場実習(インターンシップ)での就職活動となります。

清掃をしている作業服の男性と女性

就職も障害者枠での就労ですので、職場もある程度障害に理解があると考えられますので、発達障害者にとってのメリットは大きいと思います。

発達障害児の就労までの流れは、だいたいこんな感じかと思います。

今回のまとめ

発達障害児の将来の幸せな生活への道のり

  • 将来の幸せな生活(最終目標)
  • 生活費や余暇を楽しむ費用が必要
  • 継続した経済的な裏付けが必要
  • 就労の実現(および就労の継続の実現)が必要
  • 就労の実現を期待できる進学先の選択(お子さんが無理なく成長できる環境の選択)
  • 就労を実現するための最低条件のクリア

発達障害児の就学先の選択について

  • 普通学級、特別支援学級、特別支援学校
  • お子さんにとってストレスが少なく、楽しく成長できるような就学先が望ましい。この観点での最適な就学先を選択

発達障害児の進学先を選択する際の注意点

  • 発達障害児でも知的な遅れが少ない、または知的な遅れがない子どもでは親御さんは学習面だけを特別に評価しがち。学習面だけではなく総合的な能力評価が必要(※勉強する能力と仕事で成果を出せる能力は別もの)

今回は、ここまでです。

次回は発達障害児にとって、就職率をアップできる学校である「高等特別支援学校」のご紹介です。お楽しみに。

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