発達障害 子育て研究所

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就労への近道! 人気急上昇、高等特別支援学校のご紹介

やる気満々の受験生

前回は、発達障害児の将来の幸せな生活を実現するためには、就労の実現が不可欠であることをお話ししました。

今回は、その就労の実現の可能性をアップするための方法として、「高等特別支援学校」について、ご紹介します。

特別支援学校の知的障害者(発達障害者を含む)の卒業後の進路先の現実

悩んでいる高校生

特別支援学校(高等部)では職業訓練をうけることができ、就労スキルを学ぶことができますが、実際の就職率となるととても厳しい現実があります。

実際、多くの発達障害者は一般的に3K職場(きつい、きたない、危険)とよばれる仕事場で従事している方が、圧倒的に多いです。

しかし、この3K職場でさえも発達障害者にとっては、とてもハードルが高いのです。

現実には、特別支援学校の高等部の卒業者の進路状況は、とても厳しい状況です。

知的障害者(発達障害者を含む)の一般企業への就職率は約30%弱であり、その他ほとんどの進路先は福祉作業所ですので、就労への道はなかなか険しいと言えます。

しかし、発達障害児の就職率を飛躍的にアップする方法があります。

その鍵となるのが「高等特別支援学校」です。

この学校は、知的障害児(発達障害を含む)を対象とした学校で、高等部のみの特別支援学校です。

就職への近道! 高等特別支援学校について

Vサインしている高校生

高等特別支援学校の就職率は、通常の特別支援学校の就職率と比較すると格段に高い傾向があります。

具体的な就職率は学校によって異なりますが、就職率が相当に高い実績のある学校もあります。

高等特別支援学校の就職率が高いのは、以下の理由によります。

知的障害児のなかでも知的な遅れが少なく、特に就労の適性の高い生徒に職業訓練することで、知的障害の生徒の就職率を高める目的で設置された学校が、高等特別支援学校です。

就労適性が高い生徒が集まっているので、就職率が相当に高いのが特徴です。

十数年前までは、設置校の数自体それほど多くなかった印象ですが、近年、急速に開校する学校が増えつつあります。

この学校の就職率は、通常の特別支援学校と比較すると格段に高いので、入学した多くの生徒の就労の実現が期待できると思います。

ただし、入学するためには、入学者選抜試験に合格する必要があります。

入試の際の競争率は学校によってまちまちですが、人気が集まる学校では、相当高い学校もあります。

しかし、入学者選抜試験に合格するのは簡単ではありませんので、数年がかりで入試への準備をされるといいと思います。

できれば、お子さんが小学生のうちから始めるなど、余裕をもって準備されることをおすすめします。

高等特別支援学校の入学者選抜試験の概要

「合格するぞー!」受験勉強を頑張る中学生

この学校の入学者選抜試験の試験内容は、学力検査(筆記試験)、作業能力検査、運動能力検査、面接などです。

試験の時期は、一般の高校入試よりちょっと早い時期かもしれません。

事前に入試日程、試験内容、募集要項などを入学希望先の高等特別支援学校のホームページか県の教育委員会のホームページなどで確認してください。

入試の過去問題を公開している場合もありますので、あわせてご確認ください。

高等特別支援学校の入学者選抜試験の概要

  • 学力検査(筆記試験)
  • 作業能力検査
  • 運動能力検査
  • 面接など

※学校によって、試験内容が異なります。必ず、募集要項などでご確認ください。

学力検査(筆記試験)
テスト

検査科目は学校によって違います。

通常は、国語、数学のみが多いですが、英語も課す学校もあります。

学校によって検査科目などが違いますので、必ず、募集要項を確認してください。

入試の難易度レベルは、おおよそ普通学級の小学校卒業程度だと思います。

特別に難解な問題はありませんが、知的障害のあるお子さんにとっては、十分にむずかしいレベルだと思います。

なお、単純に小学校で習った知識の理解力だけでは攻略はむずかしいと思います。

なぜなら、日常生活における知識や生活力を問う問題、就職後の仕事を想定した問題など、応用力、実践力を問う問題が少なくないからです。

作業能力検査
封筒の展開図

就労への適性をみるために、作業能力の検査を実施しています。

実際の就労においては、上司の指示どおりに的確に迅速に作業が求められますので、その適性検査です。

この検査は、会社に入社後の仕事を想定しています。

会社での仕事は、業務手順書(業務マニュアル)どおりに正確に作業すること、または、上司や指導者からの指示どおりに、正しく作業することが求められます。

正しく作業するためには、業務手順書の内容を正確に読み取る能力が必要です。

また、上司や指導者からの指示内容を正しく理解する必要があります。

さらに、実際の仕事では、正しく作業することに加え、丁寧な作業、迅速な作業も大事です。

運動能力検査
持久走をしている中学生

運動能力検査を実施する理由は、発達障害児の就職先の多くが、一日中立ち続けの仕事など、体力を必要とする仕事に従事していることが多いからです。

ですから、基礎的な体力があることが求められます。

また、実際の職場では、フルタイムでの仕事が基本ですから、やはり相応の体力が必要です。

基礎的な体力の有無は、仕事をするうえで重要な事項です。

また、高等特別支援学校に入学後、生徒は職業訓練をうけることになりますから、その職業訓練に耐えうる体力の有無が合格条件になることも納得がいきます。

面接
面接

中学校時代の学校生活や日常生活、その活動内容などから就労への適性の高さなどを確認。

特に、受験者本人の就労に向けての意欲、高等特別支援学校に入学して就労スキルを習得しようとする意欲などを確認。

ビックリマーク
入学者選抜試験の内容は、学校によって違います。上記の試験内容は、おおよそのものを記載したものですので、入学希望先の高等特別支援学校が決まったら、必ず募集要項などで試験内容等の詳細をご確認ください。

高等特別支援学校の名称等について

戸惑っている中学生

高等特別支援学校の名称については、通常、学校名に「高等特別支援学校」が入っています。

都道府県によっては「○○高等学園」「○○高等支援学校」「○○高等養護」などの名称の場合もあり、一見すると高等特別支援学校なのかどうかわからない学校名の場合もありますので、ご注意ください。

また、特別支援学校のなかには特別支援学校の分校が存在します。

この分校のなかには、高等特別支援学校のように入学者選抜試験を実施して、知的障害児(発達障害児も含む)のなかでも、就労への適性が高いと思われるお子さんを選抜して入学させている学校もあります。

この分校については、「高等特別支援学校」の名称はついていない場合がありますが、高等特別支援学校と同等の学校の可能性があります。

なお、「高等特別支援学校」なのかどうかの見分け方については、明確なものはありませんが、高等部のみの特別支援学校は、高等特別支援学校、またはそれと同等の学校の可能性があります。

例えば、分校でも高等部のみであれば、高等特別支援学校と同等の学校の可能性があります。

ただし、必ず、県の教育委員会(または市の教育委員会※)、その学校に直接確認してください。

※高等特別支援学校は、県立学校がほとんどですが、稀に市立の学校も存在します。ですから、確認先は高等特別支援学校を管轄する教育委員会となります。

電話で話をしているお母さん
今回のまとめ

発達障害児の就労への近道は、「高等特別支援学校」

  • 高等特別支援学校に入学するには、入学者選抜試験に合格が必要
<入学者選抜試験の概要>
  • 学力検査(筆記試験)
  • 作業能力検査
  • 運動能力検査
  • 面接など

※学校によって、試験内容が異なります。必ず、募集要項などでご確認ください。

高等特別支援学校のなかには、わかりにくい学校名の場合もある

  • 学校名称が「○○高等学園」「○○高等支援学校」「○○高等養護」などの場合もある

特別支援学校の分校のなかには、高等特別支援学校と同等の学校がある

今回はここまでです。

次回は、「高等特別支援学校」でどのような就労スキルなどを学ぶことができるかなど、その活動内容についてご紹介します。お楽しみに。

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