就職率の高さには理由がある! 高等特別支援学校の魅力とは。

前回、発達障害児の就職率アップの手段として、「高等特別支援学校」をご紹介しました。
今回は、その学校でどのような就労スキルなどを学ぶことができるかなど、その活動内容についてご紹介します。
高等特別支援学校では、何を学べるの?

高等特別支援学校と一口にいっても、タイプはさまざまです。
通常の学科(国語、数学、理科、社会、英語など)がメインで職業訓練も学べる学校や、専門科(具体的には、清掃、介護、クリーニングなどの就労スキルを専門的に学ぶことができる)科目を中心に学ぶことができる学校もあります。
学校によって特色が豊かですし、学習できる内容や学べる就労スキルが違いますので、事前に学校のホームページで、学習プログラムなどを十分に確認してください。

入学者選抜試験の申し込み時点で、希望の専門科を選択しなければならない場合もありますので、事前にご確認のうえ、お子さんとよく相談して選択してください。
高等特別支援学校がどんなところなのか、ここでは簡単にご説明しました。
また、みなさんはホームページなどでも確認されると思いますが、それだけでは足りません。
やはり「百聞は一見に如かず」なのです。
高等特別支援学校について良く知るには、何度も学校を訪問して

高等特別支援学校といっても、学校によって特色がまったく違います。
やはり、直接学校を訪問して、学校の理念、校風などを確認したり、生徒さんの実習の様子を見学したり、先生方の生の声を聞いたりする方がより参考になると思います。
高等特別支援学校に行く機会は、公式的には「学校説明会」「事前相談会」「体験入学」などがあります。
その他、「文化祭」「体育祭」など学校行事に便乗して、学校を訪問することも可能です。
高等特別支援学校の受験資格に、「学校説明会」「事前相談会」「体験入学」などに参加することを条件にしている学校もありますので、要チェックです。
高等特別支援学校への学校訪問の最も大きな目的は、情報収集です。
実際に、何度も学校訪問を繰り返していくうちに、学校のホームページには掲載されていない真の学校情報が、良くも悪くも見えてくるものであると考えています。
学校訪問のもう1つの大きな目的は、お子さんの就労への意欲アップや高等特別支援学校で学びたいという気持ちを育てていくことです。

高等特別支援学校に入学するのは、あなたではなくあなたのお子さんなのですから、お子さん自身が積極的にこの学校で学びたいという気持ちを持たせることが大事なのです。
ですから、高等特別支援学校の体験入学に参加できれば、お子さんの就労やこの学校で学びたいという意欲のアップにもつながると思います。
なお、高等特別支援学校の生徒たちのようすについては、こちらでも詳細に紹介していますので、ぜひご参照ください。

高等特別支援学校で、学べるものは就労スキルだけではない。なぜ、卒業生の就労率が高いのか…。その秘密もご紹介。

文化祭で、愛情を注いで作った野菜の販売。販売方法も心を込めて、ひと工夫。生徒たちの生き生きをした姿に、元気をもらえます。
高等特別支援学校 生徒たちが学んでいるのは、就労スキルだけではない!

高等特別支援学校において就労スキルは、校内と校外で学ぶ機会があります。
校内では、専門科の授業として実施されます。ここでは、専門の就労スキルを基本から学ぶことができます。
例えば、清掃では、スクイージー(窓ガラスを拭きあげるときに使用する道具)を使用した清掃方法から、ポリッシャー(床洗浄、床磨きなどをするための専用器具)を使用した本格的な清掃作業を学んでいます。
高等特別支援学校の専門科の授業で生徒たちが学ぶことは、専門的な知識や技術だけではありません。
基本的に授業は厳しめですが、その理由は、生徒たちを即戦力として育てるためです。
また、就職後の多少の困難にもくじけない強い心を育てるためでもあります。
生徒たちは、専門科の授業を通じて、真面目さ、勤勉さ、根気強さ、そして仕事に対する責任感も習得していきます。
実際の就労となれば、つらいことも経験します。
ちょっとしたつらいことがあっても、それを乗り越えていけるだけの精神力や根性なども習得していくのです。

さらに、高等特別支援学校の生徒たちには、校外でも職場実習として実践的に学ぶ機会もあります。
職場実習は、学校側の就労担当の先生が、一般企業にお願いして実施されるものです。
生徒が直接、一般企業をお伺いして、就労スキルなどを学ばせていただくのです。
生徒たちにとっては、日頃の努力の成果が試される重要な機会でもあり、また、大きな試練でもあります。
高等特別支援学校の生徒たちの日頃の努力の成果が試される機会 職場実習!

職場実習は2種類あります。
1つは企業側の善意で生徒が就労体験をさせていただくものです。
実習期間は1~2週間程度で、就労スキルを学べる他、会社の雰囲気に慣れることができますし、実践的な仕事に触れることができます。
この職場実習の対象者は、1、2年生の生徒たちです。
この職場実習は、生徒たちにとっては、練習的な意味合いが大きいのですが、企業側にとってはそうでないこともあります。
なぜなら、職場実習をうけ入れた企業側の担当者の立場からすれば、良い人材がいれば青田買いをしたいと考えているからです。
練習で行ったつもりの職場実習で、仕事ぶりが認められれば、その生徒が3年生になったときに、再度オファーが来ることもあります。

再度のオファーでは、その生徒の採用を前提とした職場実習です。
こんなラッキーなケースがある反面、逆のケースもあります。
実習中の態度が悪かったりすると、途中で職場実習を打ち切られてしまうこともあります。

職場実習は、学校側の就労担当の先生と企業側の採用担当者の信頼関係の上に成り立っているものです。
信頼関係が失われれば、「今後、その生徒に対する職場実習はしない」と通告されてしまうこともあります。
職場実習は、学校側の就労担当の先生が、努力して開拓してきた企業で実施されるものです。
また、企業側の善意で実施されているという事情を踏まえて、生徒の立場としては感謝の気持ちをもって臨む必要があるということなのです。

もう1つの職場実習は、高等特別支援学校の生徒たちの就職活動の一環として実施されるものです。
この職場実習の対象者は、就職活動の本番を迎えている3年生の生徒たちです。
一般的に特別支援学校(高等部)、高等特別支援学校の生徒の就職活動は、職場実習(インターンシップ)を通じて行います。

普通高校の生徒や大学生の就職活動(採用試験、面接のみ)と比較すると、時間をかけてじっくり評価してもらえますので、生徒にとっても企業側にとっても、とても都合が良い採用制度だと思います。
職場実習を実施後、実習先の会社で採用面接が実施されます。
実習と採用面接の結果を踏まえて、その企業への採用、不採用が最終的に決定されることになります。

なお、職場実習(インターンシップ)による就職活動については、こちらで詳しく解説していますので、ご参照ください。
「高等特別支援学校」には、いろいろなタイプがある
- 学校によって、学習できる内容や学べる就労スキルが違うので、事前に学校のホームページなどで、学習プログラムなどを十分に要確認
入学希望先の高等特別支援学校の情報入手
- ホームページだけではなく、直接、学校を訪問して、より多くの情報を入手
- 体験入学では、お子さんの就労への意欲をアップも期待できる
専門科の授業、生徒が学ぶのは就労スキルだけではない
- 真面目さ、勤勉さ、根気強さ、そして仕事に対する責任感を習得
- 就職後の多少の困難にもくじけない精神力や根性なども習得
職場実習は2種類ある
- 1つは、企業側の善意で生徒が就労体験をさせていただくもの(1、2年生が対象)
- もう1つは、就職活動の一環として実施。実習後の採用面接により、採用可否が決定(3年生が対象)
今回はここまでです。
次回以降から、息子の高等特別支援学校への合格までの具体的な道のりについて、順次ご紹介していきます。
次回は、息子の高校進学にあたり、具体的にどのような進路先候補とそのメリット、デメリットなどについて考察していったのかを、ご紹介していきます。お楽しみに。
なお、高等特別支援学校の受験対策については、こちらでご紹介しております。