発達障害 子育て研究所

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発達障害児の子育て 「一番病」克服のとっておき!

お医者さん

一番病ってどんなもの?

「一番じゃなくちゃいやだ!」と、怒っている男の子

お子さんの一番病でお悩みの親御さんは、少なくないと思います。

一番病は、「何でも一番じゃなきゃイヤダ」というものです。

その症状の出方には個人差がありますが、発達障害児の場合、激しいパニックを起こしたりすることが多いので、とても厄介なものです。

悩んでいるお母さん

一番病の症状の具体例を列挙すると・・・、

  • テストで一番が取れないとイヤダ
  • かけっこで一番じゃないとダメ
  • ゲームなどで負けると、とてもクヤシイ

などなど、どんなものでも優劣がつくもの、数や量が多い少ないなどでも、過敏に反応してかんしゃくを起こして、親を困らせたり周囲にいる人たちを不愉快にさせます。

個人にはどうしても能力差がありますから、すべての事象で一番を取ることはできません。

とても由々しき問題です。

すべての事象で一番を取ることはできません

親御さんのなかには、かけっこで一番を取らせるために体を鍛えさせたり、学習面で一番を取らせるために勉強を頑張らせたりすることで、解決を図ろうとする方もいるようですが、それでは根本的な解決はできないと考えます。

お子さんの能力をアップさせるという観点では、子どもに努力することを教えることは、必ずしも無駄なことではありません。

しかし、一番病の解決という観点では、上には上がいますから、どんなに頑張ったところで、どんな状況でも一番を取ることはとても困難ですので、現実的な解決策ではありません。

一番病が問題視されるのは、負けて悔しいからといって悔しさの感情を泣いてわめいてさらけ出して、周囲の人々を振り回したり不愉快にさせたりすることです。

負けて悔しいと泣きわめいて、周囲を困らせてしまう男の子

ですが、かけっこでも勉強でも何でも、勝負に負ければ誰だって悔しいのは同じです。

負けて悔しいのは、他の子どもだって同じです。

大人だったら悔しくないかと言えば、大人だって悔しいのは変わりがありません。

大人だって悔しいのですが、通常はその悔しい気持ちをストレートに表に出したりはしません。

子どもでも、精神的に成長している場合には、見苦しい態度を出したりしません。

この違いは何なのでしょうか。

この違いが、一番病克服のヒントになりそうです。

ピカッと光る電球

なお、一番病は、親に対して発現することが多いと思います。

学校や他者に出現することもありますが、傾向としては少ないように思います。

ここにも解決のヒントがあります。

一番病の正体は・・・?

名探偵

一番病の大きな特徴としては、負けて悔しいという周囲へのアピールです。

しかし、周囲からみると振り回されたり不愉快にさせられたりするものですので、とても迷惑なアピールでもあります。

これが継続すると、集団生活では排除の対象になってしまう恐れがあります。

学校生活では、これが原因で、いじめの対象となってしまうかもしれませんので、早急の改善が必要です。

一番病を解決するためには、一番病がどういうものか良く知る必要があります。

ヒントを語る男性

一番病は「病」の字が入っていますので、病気と勘違いされる方がいるかもしれませんが、病気ではありません。

一番病は、通常、子どもの成長過程で現れるものです。

男性であれば、子どもの頃よく遊んだヒーローごっこでは、誰もが一番カッコいいヒーローになりたがったはずです。

女性であれば、一番素敵なお姫様になり、白馬に乗った王子様がいつか迎えに来てくれると夢見たこともあるかと思います。

ヒーローとお姫様

しかし、現実のヒーローごっこでは、悪役もいないと成立しませんから、我慢して悪役をやったという方もいることでしょう。

悪役をやりたくないからと言って、駄々をこねると友だち関係が壊れてしまうことになるからです。

ですから、自分がヒーローをやりたいという気持ちを抑えて、今後の友好的な友だち関係を優先して、我慢して悪役をやることになります。

この相手を優先する感情は「協調性」につながるものです。

つまり、「協調性」のある子どもは、一番病を克服できている子どもだと言えます。

逆に自分がヒーロー役になれなくて駄々をこねるなど、悔しい気持ちを表に出す行為は、見ているととても見苦しいものです。

駄々をこねる男の子

それは、「自分がヒーロー役をやりたい」という願望を「駄々をこねれば、周囲が忖度して仕方がないから、相手がヒーロー役をゆずってくれるだろう」という浅はかな気持ちであり、心の幼さからくるものです。

ですから、そういった傲慢な言動や行動は、周囲への甘えの気持ちやわがままな感情と判断されてしまうことになります。

友だち関係を壊しかねない行為でもあります。

つまり、一番病の正体とは、「心の幼さからくる周囲への甘えの気持ちやわがままな感情」なのです。

なお、ヒーローごっこの場合、子ども頃には既に微妙な力関係が生じている可能性が高いものです。

スクールカースト(学校内での序列)で高位の子どもばかり、ヒーローになっているケースがあるので、それはそれで理不尽なものです。

その点、かけっこや勉強面では実力勝負なので、負けて悔しいと思えば、頑張って正々堂々と勝てるようになればいいのです。

苦手な分野で負けても、得意分野で勝って見返せばいいのです。

かけっこや勉強をがんばる男の子

また、前述で一番病は、親御さんに対して発現する可能性が高いことをお話ししました。

学校生活や放課後みんなと遊ぶ機会は集団生活ですから、友だちの前で一番病を発現させると、トラブルになったり排除の対象になったりします。

子ども同士の関係では、お互いに容赦してくれることは少ないので、駄々をこねるとストレートに友だちから敵意を向けられます。

そういったトラブルを繰り返すうちに、経験的にトラブルを回避することを学ぶこともあります。

困っている男の子

ですから、発達障害児でも、一番病を発現させる相手を感覚的に経験的に選んでいます。

親御さんに対して一番病を発現させることが多い理由は、それを親御さんがうけとめてくれるとお子さんが理解しているからです。

理屈で理解できていなくても、感覚的に経験的に理解しています。

オロオロしているお母さん

もっと言えば、怒らせると怖い友だちや怖い先生の前では、甘えは許されないし、わがままをいうと怒られるので、駄々をこねることを我慢します。

逆に親御さんの場合は、泣いてわめいてパニックを起こせば最終的には親御さんの方が折れてくれるので、甘えもするしわがままも言ってしまうのだと考えます。

一番病克服のカギは「協調性」!

一番病を克服する前と克服した後の男の子

勝負事においては、どんなジャンルでも大人だったとしても負ければ悔しいものです。

しかし、大人は、その悔しい気持ちをむやみに表に出したりしません。

なぜなら、大人は、悔しい気持ちを表情、言葉、態度などで示して、相手にそれが伝わることは恥ずかしいことだと知っているからです。

また、そんな子どもじみた行動をすれば、周囲との関係を悪化させることを知っているからです。

人間は独りで生きていくことができませんから、基本的に誰でも家庭、学校、会社などどこかのコミュニティに属しています。

そこでは集団生活ですから、集団生活のルールを守りつつ、友好的な人間関係を築いていく必要があります。

仲良しの子どもたち

集団生活では、「協調性」がないと友好的な人間関係を築くことができなくて、つらい思いをすることになりますから、「協調性」は処世術の1つとして培われていくものです。

会社で同期入社の社員が自分より先に出世したとすれば、たとえ大人であったとしても嫉妬心などで悔しい気持ちでいっぱいになります。

でも、大人ですから大人の対応をします。

無理にでも表情はにこやかに「おめでとう」と祝福します。

握手しているサラリーマン

ですが、内心では「次に昇進するのは俺だ」と、仕事で評価してもらって、リベンジできるように頑張ろうとするものなのです。

子どもの場合でも「協調性」が育ってくると、何が何でも一番にならなければいけないという気持ちは薄れていきます。

その理由は、相手と今後も友好的な人間関係を維持したいからです。

手をつないで仲良く走る男の子と女の子

一番病を発現させるとトラブルになることを経験的に学んでいますから、むやみに一番病を表には出さなくなります。

また、負けて悔しい気持ちも、友好的な友だち関係を優先させる気持ちが芽生えてきますので、悔しい気持ちも我慢をすることができるようになります。

協調性を身につけた男の子

したがって、「協調性」が育ってくると一番病は徐々に治っていくのです。

しかし、負けて悔しいという気持ちは変わるものではありません。

かけっこで負けたくなければ、練習して早く走れるように練習します。

学業の成績で負けたくなければ、一生懸命勉強するようになるのです。

しかし、すべてに勝つことはできませんから、自分の好きな分野、得意な分野で勝負しようと考えます。

どうでもいいことで負けてもいいけど、自分自身がこだわっている分野では負けたくないという気持ちが一層強くなります。

「がんばるぞ」と腕まくりをしている男の子

ですから、勝つためへの努力を惜しまなくなるものです。

こだわりの分野での能力を高めていく過程では、精神力もついてきてあきらめずに粘る力も出てきます。

これも、人としての1つの成長の証でもあります。

成長している男の子

ですから、一番病の改善を含めて、子どもから大人に成長する過程においては、「協調性」を育てていくことがとても大事なのです。

それは、発達障害児でも健常児でも、変わるものではありません。

なお、一番病については、こちらでも詳しく解説していますので、ご参照ください。

一番病を克服するには、「協調性」を育てることが不可欠です。

しかし、「協調性」は、相手に配慮する気持ちだったりするため、ときには我慢をしなければいけないことも習得する必要もあります。

ですから、「協調性」を育てるのはそんなに簡単ではないところが、この問題を大きくしているともいえると思います。

ですが、「協調性」がどんなものであるか十分に理解できていれば、手探りで子育てするよりも効率的に習得させることが可能だと思います。

納得しているお母さん

「協調性」の育成については、ぜひこちらを参考にしていただければと思います。

「協調性」を育てていくことができれば、一番病だけではなくさまざまな面で、お子さんの明るい未来が拓けてきます。

きっと、あなたのお役に立てるものと思います。

あなたならきっとできます。

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今回のまとめ

一番病とは

  • 「何でも一番じゃなきゃイヤダ」と、負けて悔しいという感情を周囲へアピールして激しいパニックを起こすこと。優劣がつくもの、数や量が多い少ないなどでも、過敏に反応してかんしゃくを起こして、親を困らせたり周囲にいる人たちを不愉快にさせること

一番病の症状の具体例

  • テストで一番が取れないとイヤダ
  • かけっこで一番じゃないとダメ
  • ゲームなどで負けるととてもクヤシイ など

一番病の正体とは

  • 心の幼さからくる周囲への甘えの気持ちやわがままな感情

一番病を克服するには

  • 「協調性」を育てること
  • 「協調性」が育ってくると、何でも一番にならなければいけないという気持ちは薄れていく。その理由は、相手と今後も友好的な人間関係を継続したいから、むやみに一番病を表には出さなくなる
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