どうしよう? 高等特別支援学校 お受験対策

お子さんの将来の幸せな生活の近道は、「高等特別支援学校」

お子さんの将来の幸せな生活を実現するには、「就労の実現(就労の継続)」が不可欠です。
なぜなら、幸せな生活には、最低限の生活費が必要だからです。
さらに、余暇にかかる費用もあれば、生活にも潤いが出てより充実した生活ができるようになると思います。
その最低限の生活費や余暇にかかる費用は、就労することによって得られる給与で賄うことができます。
ですから、「就労の実現」は、健常児だけではなく、発達障害児にとってもとても重要な目標です。

もしも、高等特別支援学校にお子さんが入学できたとしたら、その「就労の実現」という大きな目標も、グンと身近になってきます。
なぜなら、高等特別支援学校の卒業生の就職率は、通常の特別支援学校よりも格段に高いからです。

「高等特別支援学校」の卒業生の就職率が高い理由は、発達障害児のなかでも知的な遅れが少ない生徒を入学者選抜試験で選別しているうえに、そこでも就労スキルを学ぶことができるからです。
さらに「高等特別支援学校」の厳しい授業を通じて、真面目さ、勤勉さ、多少の困難にも負けない精神力をも、そこで学ぶことができます。
そういった人材は、一般企業の採用担当者がもっとも注目している人材なのです。

ですから、発達障害を抱える親御さんの多くは、「高等特別支援学校」のお受験を一度は検討されたことがあるのではと思います。
できれば、お子さんを「高等特別支援学校」に入学させたいと考える方も少なくないでしょう。
本ブログも、そんな親御さん方の後押しができればと考えております。

高等特別支援学校には、どうしたら入学できるの?

高等特別支援学校にお子さんが入学するためには、入学者選抜試験に合格しなければなりません。
試験内容は、学校によってまちまちですが、概ね①学力検査(筆記試験)、②作業能力試験、③運動能力試験、④面接の4つを課している学校が多いと思います。

試験内容に関しては、こちらで詳細に解説していますので、ぜひ、ご参照ください。
入学者選抜試験の学力検査(筆記試験) どんなことをするの?

全国の高等特別支援学校のほとんどが、入学者選抜試験に学力検査(筆記試験)を課しています。
受験科目は概ね、国語、数学の2科目が多い印象です。
英語を課している学校もあります。
また、国語の一部に作文を課しているところもあります。
入学者選抜試験の過去問題をホームページ(都道府県教育委員会)で公開している自治体もありますが、少数です。
ほとんどの自治体は、過去問題を公開していません。

ただし、募集要項等をホームページで公開している自治体はわりとありますので、受験科目が何であるか程度はわかります。
多くの学校では、受験に際して学校説明会などを開催していますので、受験内容の詳細な情報もその際に説明があるかと思います。
学力検査(筆記試験)の出題傾向の分析

入学者選抜試験、特に学力検査(筆記試験)を攻略するためには、出題傾向がわからなければ、受験対策をしようがありません。
しかし、多くの自治体が入学者選抜試験の過去問題を非公開としていますので、出題傾向を事前に大まかなものでも把握するのは、むずかしい状況です。
それでも、ある程度の予測をする方法はあります。
それは、過去問題をホームページ上に公開している自治体の過去問題を分析する方法です。
実際に複数の自治体の過去問題をさらに過去に遡って数年分を確認することにより、おおよその出題傾向を掴むことができました。

過去問題を公開していない自治体の出題傾向とは、実際には多少の違いがあるかもしれませんが、おおよそ「小学校の普通学級で習得する学習内容」がベースになっている点では大きな違いはないと思います。
また、下記の《 学力検査(筆記試験)の出題傾向の分析結果 》でもご説明していますが、出題傾向としては、「小学校の普通学級で習得する学習内容」だけではなく、日常生活で必要とされる知識なども求められます。
その意味でも、出題傾向に大きな差はないと思います。

なお、分析した出題傾向については、以下のマニュアルにまとめてみました。
※学力検査(筆記試験)の出題傾向については、以下マニュアルの「(4) 高等特別支援学校 入学者選抜試験の対策」にて詳しく解説しています。
「これでお受験対策は万全! 高等特別支援学校のお受験対策マニュアル」

(1)高等特別支援学校 概要について
高等特別支援学校について、どんな学校なのかわかりやすく説明しています。
(2)高等特別支援学校 入学までのフローチャート
高等特別支援学校の入学までのフローチャートです。
入学までの大まかな流れをつかむことができます。
(3)高等特別支援学校 学校見学など学校を訪問した際に確認すべきポイント
志望する高等特別支援学校を直接訪問する目的、確認すべきポイントについて、わかりやすく説明しています。
さらに、情報収集(学校情報、入試関連の情報)のアドバイスや、お子さんの高等特別支援学校へ入学への意欲を向上させるためのポイントも。(入学するのはお子さんですから、しっかり意欲をもたせる必要があります。)
(4)高等特別支援学校 入学者選抜試験の対策
(A4サイズ)で45ページの大ボリューム!
学力検査(筆記試験)については、過去問題から出題傾向をズバリ分析しています。
出題傾向に対する学習方法などのツボを押えたアドバイスは、作文対策までカバーしています。
作文対策用の原稿用紙(縦書き・横書き)もご用意しています。
作業能力検査についても、出題対策や家庭でもできる能力アップの訓練方法など、充実した内容になっています。
また、運動能力検査への対策も詳しく解説しています。
(5)高等特別支援学校 入試面接対策
想定される質問と模範解答集も用意しています。
具体的な面接上の注意点や練習のすすめ方などのアドバイスも充実。
面接対策としては、これだけで十分な内容となっています。
この「これでお受験対策は万全! 高等特別支援学校のお受験対策マニュアル」についてご興味のある方は、こちらをご参照ください。
学力検査(筆記試験)の出題傾向の分析結果

高等特別支援学校の入学者選抜試験において、学力検査(筆記試験)の出題傾向を分析した結果、わかったことは、出題内容のレベル自体はそれほど高くはないということです。
難易度はおおよそ、小学校の普通学級で学習するレベルです。
それでも、知的な遅れを伴う発達障害児にとっては、十分にハードルが高いレベルです。
さらに問題があります。
入学者選抜試験に合格するためには、小学校で習った学習内容を十分に理解しておく必要がありますが、それだけでは不十分だからです。

なぜなら、出題傾向として小学校で学習する知識だけではなく、「生活する知識」「生活する力」などが求められる問題が出題されているからです。
具体的には、「お金の知識」「時計や時間の知識」など学校で習う知識だけではなく、実際にバスや電車に乗って出かけることを想定した問題なども出題されます。

つまり、現実の買い物、現実にバスや電車に乗ることなどを想定した問題が出題されています。

小学校で習う「お金の知識」は「現実の買い物」など、生活のなかで生かされることになります。
「現実の買い物」では、財布のなかにあるお金の金額を勘案しながら買い物をします。
お金の精算時に受け取るレシートに記載されている内容も理解していることが必要ですから、「お金を管理する力」も求められます。

小学校で習う「時計や時間の知識」は、規則正しい生活やスケジュール管理などさまざまな場面において、とても重要な知識です。
さらに「現実にバスや電車に乗る」際には、時刻表を理解する力などの応用力が求められます。
また、バスや電車に乗るにはお金がかかりますから、料金表の理解も必要ですし、やはりここでも「お金を管理する力」が求められます。

高等特別支援学校の入学者選抜試験では、こういった「生活する知識」「生活する力」も求められますので、簡単ではないことをご理解いただけたと思います。
なお、それらについては、こちらで詳しく解説していますので、ご参照ください。
しかしながら、これらの知識は、高等特別支援学校の入学者選抜試験に合格するためだけではなく、本来は、お子さんの現実の生活で必要なことです。
ですから、机上だけの学習だけではなく、お子さんひとりで「買い物」や「バスや電車に乗る」ことができるようになるまで(「お金の管理、時刻表、料金表」の理解も同時に)、親御さんも一緒になって練習させてください。

練習するのは苦痛と感じる方が多いかもしれませんが、親子で楽しみながら学習することをおすすめします。
例えば、「今日は、ショッピングモールに遊びに行こう」とお子さんに提案してみるのも、いいかもしれません。
ショッピングモールの散策を楽しむついでに、「買い物」の練習ができます。

ショッピングモールへ行くのも、自家用車をあえて使わずに、バスや電車を利用すれば、ちょっとした旅行気分を楽しむこともできると思います。
こういった生活力を高める練習も、できる限り親子で楽しみながらできるよう工夫してみましょう。
なお、お子さんが高等特別支援学校の入学者選抜試験に合格する可能性を高めるためには、付け焼き刃での対応ではむずかしいと思います。
難易度はそれほど高くはありませんが、発達障害児にとっては、十分にハードルが高い問題ばかりです。

高等特別支援学校の受験を検討されているのでしたら、できるだけ早い時期から受験対策を開始することが望ましいと考えます。
遅くとも、中学校に入学時期には始めた方がいいと思います。早いうちから準備ができれば、それだけお子さんが合格できる可能性が高くなります。
まとめ
お子さんの将来の幸せな生活の近道は、「高等特別支援学校」
- (最終目的)将来の幸せな生活の実現
- 就労の実現(就労の継続)<幸せな生活の経済的な裏づけ>
- 高等特別支援学校に入学 <就労への近道>
入学者選抜試験の学力検査(筆記試験)について
- 概ね、国語、数学の2教科が多い<学校によって受験科目が違う>
- ※ 英語を課している学校もある。作文を課している学校もある。
学力検査(筆記試験)の出題傾向の分析結果
- 難易度はおおよそ、小学校の普通学級で学習するレベル
- 知的な遅れがある発達障害児にとっては、十分にハードルが高い
- 出題傾向として小学校で学習する知識だけでは不十分
- 「生活する知識」「生活する力」などが求められる問題が出題されている
高等特別支援学校の受験対策
- できるだけ早く受験対策を開始することが望ましい
- それだけお子さんが合格できる可能性が高くなる
今回は、ここまでです。
次回以降、いよいよみなさんがお待ちかねの学力検査(筆記試験)の模擬問題(当ブログオリジナル問題)をご紹介していく予定です。お楽しみに。