高等特別支援学校 入学者選抜試験 模擬問題(数学・図形問題編)

図形の基礎知識について

図形の問題は、比較的出題頻度の高いといえます。
ただし、図形の問題といっても、一概にこういった問題が出ますとはいえないほど、バラエティーに富んだ問題が出題されています。
問題の難易度もさまざまです。
平面図形だけではなく、立体図形の問題もあります。
展開図を問う問題もあります。

図形問題を攻略する方法について、順番的には平面図形をクリアしてから立体図形は最後です。
まずは、さまざまな図形についてどんな特徴があるのか知ることから始まります。
具体的には、それぞれの図形について、辺や角の数を知り、辺の特徴(2辺が等しいとか、向かい合う辺が平行など)や角の角度(角が直角かどうかなど)などの特徴を憶えることです。

その後は、三角形、四角形の面積の求め方なども学習します。
円に関しては、他の図形とは形や特徴が大幅に異なっています。
円の問題も良く出題されますから、これもあわせても憶えていきましょう。
平面図形の問題に慣れたら、次は立体図形です。
基本は平面図形の知識ですが、立体的な感性も求められます。
あせらずに、1つ1つクリアしていきましょう。
図形問題の出題の事例

- 図形の名前を答える問題
- 図形の周囲の長さを答える問題、面積を答える問題
- 角度を答える問題
- 円の問題(直径や半径の長さを問う問題、長方形の枠の中に円がいくつ入るかなど)
- 立体図形の展開図を答える問題
- 立体図形(直方体の積み木の個数を答える問題、別の角度から見た投影図を答える問題)
三角形と四角形の特徴
特徴など | 三角形 | 四角形 |
---|---|---|
辺の数 | 3つ | 4つ |
角の数 | 3つ | 4つ |
主な図形 | 正三角形、二等辺三角形、直角三角形 | 正方形、長方形、ひし形、平行四辺形、台形 |
円、三角形、四角形の定義などについて
図形の名前 | 定義 |
---|---|
円 | 正確な定義とは違いますが、中心点から等距離にある点の集合![]() |
正三角形 | 3つの辺の長さが等しい三角形![]() |
二等辺三角形 | 2つの辺の長さが等しい三角形![]() |
直角三角形 | 1つの角が直角の三角形![]() |
正方形 | すべての角が直角で、辺の長さがすべて等しい四角形![]() |
長方形 | すべての角が直角な四角形![]() |
ひし形 | 向かい合った二つの辺が平行で、すべての辺の長さが等しい四角形![]() |
平行四辺形 | 向かい合う2組の辺が平行な四角形![]() |
台形 | 向かい合った1 組の辺が平行な四角形![]() |

円について

直角三角形の面積の公式

正方形・長方形の面積の公式


立体図形と展開図

上記の左側の立体図は、「立方体」という立体図形です。
これと同じ形をしたもので、みなさんも良く知っている物はサイコロです。
サイコロは、よく見ると6つの正方形の面で形作られています。
サイコロの外見的な特徴とすれば、以下のとおりです。
立方体(サイコロ)の特徴

- 面 :6つの正方形
- 辺 :12本(長さは、正方形の1辺と長さは同じ)
- 頂点 :8つ
立体図形については、これ以外にもたくさんの種類があります。
それぞれの特徴を調べてみましょう。
展開図

上記の右側の図は、展開図といいます。
展開図は、実線にそって切り取り、点線を折り曲げすることにより、立体図形をつくることができます。(これは「立方体」の展開図です)
図形問題【当ブログオリジナル模擬問題:問題編】
1下記の(ア)~(カ)の図形の名前をの中から選んで答えなさい。

(ア) | (イ) | (ウ) |
(エ) | (オ) | (カ) |
2の中に、の中から適切な数字、または文字を選んで答えなさい。
① (図1)は、底辺が8cm高さが5cmの直角三角形です。
面積は、cm²です。

② (図2)は、たてが6cmよこが8cmの長方形の中に、一辺が3cmの正方形の穴があいています。

長方形の4つの辺の合計の長さは、cmです。
正方形の4つの辺の合計の長さは、cmです。
(図2)の色のついている部分の面積は、の面積からの面積を引き算することで求めることができます。
長方形の面積は、cm²です。
正方形の面積は、cm²です。
したがって、(図2)の色のついている部分の面積は、cm²です。
3の中に、適切な数字を書きなさい。
① 下の図のように、大きな円が1つと、同じ大きさの小さい円が2つあります。大きな円の中にぴったりと小さい円が2つおさまっています。

小さい円の直径が3cmのとき、小さい円の半径は、cmです。
また、大きな円の直径は、cmです。
② 下の図は、長方形の枠の中に直径2cmの円が15個ぴったりおさまっています。

長方形のたての長さは、cmです。
長方形のよこの長さは、cmです。
長方形の面積は、cm²です。
4の中に、適切な数字を書きなさい。
① 下記の4つの展開図のうち、1つだけ立方体の展開図ではないものがあります。(ア)~(エ)から1つだけ選んで答えなさい。


② 下記の4つの展開図のうち、円柱の展開図を(ア)~(ウ)から選んで答えなさい。


図形問題【当ブログオリジナル模擬問題:解答・解説編】
1下記の(ア)~(カ)の図形の名前をの中から選んで答えなさい。

(ア) | (イ) | (ウ) |
正三角形 | 平行四辺形 | 直角三角形 |
(エ) | (オ) | (カ) |
長方形 | 二等辺三角形 | 正方形 |
2の中に、の中から適切な数字、または文字を選んで答えなさい。
① (図1)は、底辺が8cm高さが5cmの直角三角形です。
面積は、20cm²です。

(三角形の面積)
=(底辺)×(高さ)÷2
=8×5÷2
=20(cm²)
② (図2)は、たてが6cmよこが8cmの長方形の中に、一辺が3cmの正方形の穴があいています。

長方形の4つの辺の合計の長さは、28cmです。
長方形の4つの辺の合計は、
たての辺(6cm)、よこの辺(8cm)がそれぞれ2つずつあるので、
(長方形の4つの辺の合計)
={(たての辺)+(よこの辺)}×2
=(6+8)×2
=28(cm)
正方形の4つの辺の合計の長さは、12cmです。
(正方形の4つの辺の合計)
=1辺 ×4
=3×4
=12(cm)
(図2)の色のついている部分の面積は、長方形の面積から正方形の面積を引き算することで求めることができます。
長方形の面積は、48cm²です。
正方形の面積は、 9cm²です。
(長方形の面積)
=(たて)×(よこ)
=6×8
=48(cm²)
(正方形の面積)
=(1辺)×(1辺)
=3×3
=9(cm²)
したがって、(図2)の色のついている部分の面積は、39cm²です。
(色のついている部分の面積)
=(長方形の面積)-(正方形の面積)
=48-9
=39(cm²)
3の中に、適切な数字を書きなさい。
① 下の図のように、大きな円が1つと、同じ大きさの小さい円が2つあります。大きな円の中にぴったりと小さい円が2つおさまっています。

小さい円の直径が3cmのとき、小さい円の半径は、1.5cmです。
また、大きな円の直径は、6cmです。
小さい円の直径が3(cm)。半径はその半分の長さだから、小さい円の半径は、1.5(cm)。
大きい円の直径は、図から小さい円の直径の2つ分。だから、大きい円の直径は、6(cm)。
② 下の図は、長方形の枠の中に直径2cmの円が15個ぴったりおさまっています。

長方形のたての長さは、6cmです。
長方形のたての長さは、直径2cmの円の3つ分。だから、長方形のたての長さは、6(cm)。
長方形のよこの長さは、10cmです。
長方形のよこの長さは、直径2cmの円の5つ分。だから、長方形のよこの長さは、10(cm)。
長方形の面積は、60cm²です。
(長方形の面積)
=(たて)×(よこ)
=6×10
=60(cm²)
4の中に、適切な数字を書きなさい。
① 下記の4つの展開図のうち、1つだけ立方体の展開図ではないものがあります。(ア)~(エ)から1つだけ選んで答えなさい。


(ア)以外は、すべて立方体の展開図です。
立体図形の展開図については、頭の中だけで想像するのはむずかしいと思います。
ですから、展開図を紙に印刷のうえ、お子さんに実際に実線で切り取り、点線を折り曲げる作業を実際にさせてみて、実感させてください。
(ア)は、立方体になりません。(ア)以外は、立方体になります。
※解答編の最後に組み立て用の展開図を用意しています。ご利用ください。
※立方体の展開図は、全部で11種類あります。

※上記の展開図をまとめたPDFもご用意しています。ぜひお役立てください。
※立方体の展開図11種類を実際に切り取って、組み立てられるPDFもご用意しています。こちらもぜひお役立てください。
② 下記の4つの展開図のうち、円柱の展開図を(ア)~(ウ)から選んで答えなさい。


(ウ)のみが、円柱の展開図となります。
前問同様に、立体図形の展開図については、頭の中だけで想像するのはむずかしいと思います。
ですから、これも展開図を紙に印刷のうえ、お子さんに実際に切り取りさせ、(ウ)のみが、円柱になることを実感させてください。
※こちらも、解答編の最後に組み立て用の展開図を用意しています。ご利用ください。
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全12枚(PDF文書)
市販の学習ドリルにはないわかりやすい解説を心がけました。
学生時代から多少ブランクのある親御さんでも、簡単にお子さんからの質問に答えられるように工夫しています。
出題されている図形の展開図(拡大したもの)を実際に切り取って組み立てて、確認することができます。