高等特別支援学校 入学者選抜試験 模擬問題(棒グラフの問題)

棒グラフとは

棒グラフとは、数量の大きさを視覚的に捉えやすくするために,数量を棒の長さで表したグラフです。
棒グラフには,数量の大小の比較がしやすく、全体の傾向や特微が捉えやすいというよさがあります。
実際に見てみましょう。
例題

クラスで、バナナ、りんご、みかん、いちごの中から、好きなくだものを調べました。
表にまとめると、次のようになりました。
くだもの | 人数(人) |
---|---|
バナナ | 12 |
りんご | 9 |
みかん | 6 |
いちご | 5 |
合計 | 32 |
この表を棒グラフにしてみます。

棒グラフに表すと、棒の長さで、数の大きさが比べやすくなります。
入試の出題傾向

グラフの問題は、最近の高等特別支援学校の入試問題で、よく見かけるようになりました。
問題のレベルは、それほど高くないものの、ある程度練習しておいた方が安心して本番に臨めると思います。
グラフの問題で問われる内容をあげてみます。
- グラフの基本的な知識
- グラフの読み取り
- 数値の比較
- 統計表の数値を元にグラフを書き込む
- グラフを元に統計表を完成させる
- 統計表を見てグラフの全体像をイメージできるか
問題文を正しく理解して、答える力が必要になります。
また、基本的な計算力も必要です。
なお、棒グラフは棒の長い順に並んでいると比較しやすいですが、時間的経過の決まっているものや配列の順序が決まっているものもあります。
問題の数をこなし、慣れていきましょう。
模擬問題を作成しましたので、どうぞお役立てくださいませ。
棒グラフの問題【当ブログオリジナル模擬問題:問題編】
下のグラフは、ある学年の好きな教科について調べたものです。
次の問題に答えなさい。
graph.png)
(1)グラフの縦軸は、何を表していますか。
(2)人数が一番多い教科は、何ですか。
(3)保健・体育の人数は、何人ですか。
(4)人数が同じ教科は、何と何ですか。また、人数は何人ですか。
(5)人数が一番多い教科と、一番少ない教科の差は何人ですか。
次のグラフは、ある学年の好きな教科について調べたものです。
グラフを見て、下の表を完成させなさい。
graph.png)
好きな教科 | 人数(人) |
---|---|
国語 | 15 |
数学 | 25 |
英語 | (ア) |
理科 | 7 |
社会 | (イ) |
保健・体育 | (ウ) |
音楽 | 3 |
美術 | (エ) |
棒グラフの問題【当ブログオリジナル模擬問題:解答・解説編】
下のグラフは、ある学年の好きな教科について調べたものです。
次の問題に答えなさい。
graph.png)
(1)グラフの縦軸は、何を表していますか。
グラフの縦軸の単位は「人」です。
したがって、グラフの縦軸が表しているのは、「人数」となります。
(2)人数が一番多い教科は、何ですか。
棒グラフでは、「数が一番多い = 棒の長さが一番長い」となります。
棒の長さが一番長い教科は、「数学」です。
(3)保健・体育の人数は、何人ですか。
グラフの縦軸の1目盛りは、「1人」を表しています。
「保健・体育」の棒の長さは、「11目盛り」なので、人数は「11人」です。
(4)人数が同じ教科は、何と何ですか。また、人数は何人ですか。
棒グラフでは、「数が同じ = 棒の長さが同じ」となります。
棒の長さが同じ教科は、「国語と社会」です。
「国語と社会」の棒の長さは、「14目盛り」なので、人数は「14人」です。
(5)人数が一番多い教科と、一番少ない教科の差は何人ですか。
人数が一番多い教科は、(2)の解答より「数学」。
「数学」の棒の長さは、「26目盛り」なので、人数は「26人」です。
また、棒グラフでは、「数が一番少ない = 棒の長さが一番短い」となります。
棒の長さが一番短い教科は、「美術」です。
「美術」の棒の長さは、「8目盛り」なので、人数は「8人」です。
人数が「一番多い教科」と、「一番少ない教科」の差は、
「数学の人数」から「美術の人数」を引き算することで求められます。
「数学の人数」-「美術の人数」
=26-8
=18
次のグラフは、ある学年の好きな教科について調べたものです。
グラフを見て、下の表を完成させなさい。
graph.png)
好きな教科 | 人数(人) |
---|---|
国語 | 15 |
数学 | 25 |
英語 | (ア) |
理科 | 7 |
社会 | (イ) |
保健・体育 | (ウ) |
音楽 | 3 |
美術 | (エ) |
グラフの縦軸の1目盛りは「1人」です。
(ア)は、「英語」の人数が入ります。英語の棒の長さは、「14目盛り」なので、人数は「14人」です。
(イ)は、「社会」の人数が入ります。社会の棒の長さは、「9目盛り」なので、人数は「9人」です。
(ウ)は、「保健・体育」の人数が入ります。保健・体育の棒の長さは、「7目盛り」なので、人数は「7人」です。
(エ)は、「美術」の人数が入ります。美術の棒の長さは、「5目盛り」なので、人数は「5人」です。
受験対策について

グラフの問題は、ある程度パターンが決まっています。
ですから、問題の数をこなすのが一番の対策です。
グラフの一目盛りがいくつを表しているのか、単位は何か、グラフの表す数値はいくつか、など基本的なことを正確に読み取れるようになるまで、繰り返し練習しましょう。

そして、実戦的な問題に挑戦してみましょう。
また、簡単な統計表から、実際にグラフを書くのも有効です。
例えば、一日のお手伝いの回数とか、一日の歩数とか、一日の睡眠時間など、お子さんの身近なことを表にまとめて、グラフにしてみるのはいかがでしょうか。
お子さんのモチベーションが上がる内容だと、なおいいと思います。
過去の入試では、統計表から数字を読み取り、グラフを記入させる問題が出題されています。
一見、遠回りに見える基本的な作業が、理解への近道になります。
「急がば回れ」です。
そして、お子さんの励みになるのは、なんといっても親御さんから褒められることです。

成果がすぐに出なくても、がんばりを褒めてあげてください。
スモールステップで、自信をつけながら、本番に向けて準備を進めていきましょう。
なお、高等特別支援学校の受験対策については、こちらでもご紹介しております。
まとめ
棒グラフとは
- 数量の大きさを視覚的に捉えやすくするために,数量を棒の長さで表したグラフ
入試の出題傾向
- 問題のレベルはそれほど高くないが、ある程度練習が必要
- グラフの基本的な知識・ グラフの読み取り・数値の比較
- 統計表の数値を元にグラフを書き込む
- グラフを元に統計表を完成させる
- 統計表を見てグラフの全体像をイメージできるか
- 問題文を正しく理解して答える力や、基本的な計算力も問われる
受験対策
- グラフの問題は、ある程度パターンが決まっているので、問題の数をこなすのが一番の対策
- 実際にグラフを書いて、理解を深めるのも有効
模擬問題ダウンロード
棒グラフの問題(問題用紙)

全3枚(PDF文書)
- グラフの読み取り
- グラフの数値の比較
- グラフから統計表を完成させる
棒グラフの問題(解答・解説)

全5枚(PDF文書)
市販の学習ドリルにはないわかりやすい解説を心がけました。
学生時代から多少ブランクのある親御さんでも、簡単にお子さんからの質問に答えられるように工夫しています。