発達障害の息子とのコミュニケーション始めました(息子のトラブル発見編)

前回、息子とのお風呂タイムでの「今日の出来事のおさらい」について、このヒアリングの目的の1つとして、「③息子のリスク管理」があると申しあげました。その続きです。
小学校4年生のとき、いつものように息子との「今日の出来事のおさらい」をするのですが、どこか様子がおかしい。お風呂に入る前から様子がおかしかったので、その日はお風呂からあがっても、さらに聞き取りに時間をかけて確認したところ、どうやらいじめを受けている様子でした。そして、いじめの加害者は上級生(一部に下級生も)で複数名いる模様で、いじめは昼休みなどの長い休み時間や登下校時で発生しているようでした。
それから数日間かけて、加害児童名、時系列でのいじめの状況を確認しました。息子には「いじめをうけていたことを、なぜすぐに伝えなかったのか」聞いたところ、どうやら、いじめ加害者から口止めされているようでした。
発達障害児は、いじめられていることを説明するのが苦手だったり、息子のように口止めされたりの理由で、いじめについては本人から親を含む大人に助けを求めずに黙って我慢することが多いように思います。知的な能力の高い発達障害児の場合も、自分がいじめを受けていることを恥に思う気持ち、親に心配をかけまいとする気持ちやいじめ加害者からの報復を恐れる気持ちなどが働き、大人に相談することをためらってしまうケースも少なくないようです。
このように普段から、わが子とコミュニケーションをとっていると、わが子の異変に気づいてあげられる可能性が高くなると思います。ですから、きつい日はたった5分でいいので、できるだけ毎日わが子と接する時間をもつことをおすすめします。
息子の場合、幼い頃は独り言や常同行動がわりと目立ちました。独り言や常同行動は、息子自身が気づかないうちに自然にそのような行動をしているようでした。小学校の低学年時ではあまり改善されていませんでしたが、問題行動は、普通学級ではいじめの対象となりやすいため、少しずつ改善させるように促していました。我が家での改善方法は、息子本人に独り言や常同行動を認識させるように努めました。具体的には息子の問題行動が出るたびに、「独り言が出てるよ」などと繰り返し声がけして、息子自身にそれを気づかせて自制させていました。
小学校の高学年には、独り言や常同行動が出てくる頻度は大分少なくなってはいましたが、 ときどきは出ていました。この頃になると、通常時には息子自身の意思で独り言や常同行動はある程度コントロールができるようになっていましたが、何らかの理由で気分が昂っているとき、不安や不満を抱えているときなどは、感情のコントロールがうまくできずに、出てしまっているようでした。息子のいじめがわかったときは、独り言や常同行動が何となくいつもより多いように感じたり、独り言や常同行動の出方がいつもと何となく違うような違和感があったのです。多分、毎日息子の様子を観察していなければ、気づかないほどの小さな違和感だったと思います。
その後、中学校、高等特別支援学校への進学が進むにつれ、常同行動はほとんどなくなりました。独り言についても、余程のことがない限り出ることはなくなりました。成人になった今でも、独り言だけは、完全になくなってはいません。やはり、何らかの理由で気分が昂っているとき、不安や不満を抱えているときなどに、本当に稀にですが出ることがあります。本当に稀ですので、以前よりわかりにくくなっていますが、やはり、何となくわかります。(まあ、勘違いのときもありますが・・・)
息子とのコミュニケーションは、成人になり就労している現在でも毎日続いています。聞き取りする内容は「今日の昼ごはんのメニュー(社員食堂)は、何だった?」「今日は、どんな仕事をした?」などです。毎日、5分程度です。成人になっているのに、まだ必要なのかと疑問に思われる方がいるかもしれませんが、必要です。なぜ必要と考えているかは、次回で。
本日はここまで、続きは次回「発達障害の息子とのコミュニケーション始めました(息子のリスク管理編)」をお楽しみに!なお、息子に対するいじめ、私のいじめ対応などについて、気になる方がいるかもしれませんが、この話題は、いずれそのうちにご紹介します。