発達障害の息子とのコミュニケーション始めました(『ガンダム』で、就労スキルアップ編)

息子とのコミュニケーションの場は、お風呂だけではありません。新たな息子とのコミュニケーションツールは、ガンダムでした。ガンダムはアニメの『機動戦士ガンダム』です。元々私の趣味で、休日や夜帰宅後にひとりでビデオを楽しんでいたのですが、いつの間にか息子が私の隣にいて、一緒に見ていたという感じです。少なくとも、息子が小学校の中学年には、ガンダムに興味を抱いていたのではないかと思います。この後、息子が中学卒業まで、ガンダムシリーズのアニメのセリフを覚えるくらい繰り返し何度も、見ています。
ガンダム鑑賞は息子との大事なコミュニケーションの場ですので、物語はどう進んでいるのか、登場人物の心情や人間関係などについて、息子の理解度を試すような質問を良くしていました。例えば、主人公のアムロ・レイとカイ・シデンの会話から、2人の関係について仲がいいのか悪いのか。物語が進むにつれて2人の関係がどう変わっていくのかなど。息子との会話から理解度を探りながら、少しずつ難易度の高い質問をしたりもしていました。
発達障害児は、その場の雰囲気を読むことが苦手ですので、そういった機微な部分の成長を促すのに、いい機会になったと考えています。また、息子と共通の趣味をもてたことは、息子との会話の幅が広がったなど、さまざまな面においてメリットがあったと考えています。ガンダムでは、もうひとついいことがありました。自宅でできる就労スキルのアップです。
息子がガンダムに興味を示していたので、中学以降はガンプラ作りにも挑戦しました。ガンプラは、機動戦士ガンダムのプラモデルです。ガンダムにはたくさんのモビルスーツ(人間が操縦するロボット)が登場します。敵味方を合わせると種類はかなりの数にのぼります。それがまたカッコいいため、少年の心をくすぐるには十分な魅力をもっているのです。私も久しぶりだったのですが、ガンプラ作成を息子に提案すると息子もかなり乗り気でした。それぞれ、お気に入りのプラモデルを買いました。
最初は息子につきっきりで作り方を教えました。息子には少し難易度が高かったかなと心配しましたが、意外と手先が器用なのに驚きました。また、結構根気がいる作業なのですが、楽しんでやっており、私の目論見はうまくいきました。2個目以降は自力で作成できるようになり、徐々にむずかしいプラモデルにもチャレンジさせましたが、なかなかの出来映えに仕上がり、本人も満足しているようでした。
ガンプラは作った経験がある方はおわかりになるかと思いますが、そんなに簡単ではありません。パーツが多いのに加えて、同梱されている設計図をみながら作成するのですが、設計図は3次元仕様なので慣れないととてもわかりづらいからです。また、パーツを丁寧に切り取りして、出っ張りをこれまた丁寧にヤスリがけしないと、仕上がりの美しさに差が出るからです。
ここで、ガンプラづくりのどこが就労スキルのアップにつながるのか、疑問に思う方も多いと思いますのでご説明します。設計図を見ながらのガンプラ作成は、会社での仕事マニュアルの読み取りとそれを理解する練習になると考えました。また、パーツを丁寧に切り取りして、出っ張りを丁寧にヤスリがけする作業、パーツを美しく組み立てる作業は、丁寧な仕事につながると考えたのです。
プラモデル作りをおすすめしましたが、お子さんがプラモデル作りに興味がない場合は、無理にさせない方がいいと思います。あくまでも、楽しんでやるから就労スキルの向上が期待できるのです。興味がある場合は、ぜひおすすめします。ただし、いきなりガンプラはハードルが高いかもしれませんので、初めは簡単なプラモデルから徐々に難易度をあげていくのが良いと思います。
ガンプラには、以下のとおり難易度によって4種類あります。
- HG(ハイグレード ※「HGUC」はHGシリーズです)
- RG(リアルグレード)
- MG(マスターグレード)
- PG(パーフェクトグレード)
HG→RG→MG→PGとグレードが上がっていくにつれてパーツ数も多くなり、プラモデルの精密さが上がってきます。
初心者は、比較的パーツも少なくて、作成も容易な「HG」シリーズをおすすめします。「HG」は価格も安価で対象年齢が8歳以上となっていますので、ガンプラ初心者には最適かと思います。
ガンプラの「HG」シリーズでもうちの子にはちょっとハードルが高いかなと思われる場合は、ペーパークラフトはいかがでしょうか。「Canon Creative Park」というサイトでは、「動物」「おもちゃ」「知育」「乗物」「科学」「建物」「オブジェ」「イベント」など豊富な種類が用意されており、楽しくとりくめると思います。