働く幸せの像 人間の究極の幸せとは?

みなさんは、「日本理化学工業株式会社」という会社をご存知でしょうか。この会社は障害者雇用で有名な会社ですので、知っている方も多いことでしょう。この会社には「働く幸せの像」というものがあるそうです。その像の碑に刻まれている言葉を、ぜひ、ご紹介したいと思います。なお、もっと興味のある方は、会社のホームページをご確認ください。
導師は人間の究極の幸せとは、
障がい者雇用の取り組みについて/日本理化学工業株式会社
人に愛されること、
人にほめられること、
人の役に立つこと、
人から必要とされることの4つと言われました。
働くことによって愛以外の3つの幸せは得られるのだ。
私はその愛までも得られると思う。(会長 大山泰弘)
この言葉は、読んだだけで人に感銘を与えるものだと思います。この最初に出てくる導師とは、会長の大山氏が法事で出会った禅寺の僧侶で、その僧侶から言われた言葉だそうです。大山氏の「人に愛されること」を含む、この4つの究極の幸せを働くことで得られるという言葉は、とても含蓄のある言葉だと思います。会社の経営者として、人として、尊敬に値する人物だと思います。
大山氏の言葉に出会ったのは、息子が小学校の4年生の頃のことです。その頃、私は、息子のことで深く悩んでいました。息子は3歳以降、もの凄い勢いで、さまざまな面で成長をしてくれました。その息子の成長をとてもうれしく思う反面、私自身、大変な誤りを犯してしまったのではないかと考えていたからです。
もしも、息子の成長がなかったら、息子は自分自身の障害に気づくこともなく、障害者施設で悩むことなく穏やかな生涯を送れたのではないかという考えもあったのです。私がこんなことを悩んだ原因の1つは、息子が学校で酷いいじめをうけていることがわかったからです。そして、息子が発達障害児でなかったら、いじめにあうこともなかったかもしれないと思ったからです。
息子は中途半端に成長し、自我に目覚めたばかりに多少の幸せを実感できるかもしれませんが、自分の障害を自覚できるところまで成長してしまったがゆえに、それ以上の不幸を経験してしまうのではないかと、ずいぶんと悩んだ時期がありました。その迷いが吹っ切れたのはある意味開き直りです。ここまで来てしまったものは、もう後戻りはできません。中途半端な成長がまずいのなら、徹底的に成長させれば良いのだと考えたのです。また、いじめについては、徹底的に戦うことを決心しました。
私は、ここで私のエネルギーを息子の成長といじめ解決の両方に全力を注ぐことを決心しました。本来ならば、息子の成長に全部注ぐべきですが、いじめの加害児童とその保護者の態度に本当に腹を立てていましたので、徹底的に戦いました。なお、いじめについては、また別の機会にお話します。
この頃から息子の将来の目標として、就労を意識し始めました。
今回はここまでです。次回はこの続きです。お楽しみに。
※日本理化学工業株式会社について
学校でよく使用されているチョークを主に製造している会社です。チョーク製造会社としては後発会社ながら、国内シェアトップの会社です。全従業員の実に約7割が知的障害者です。大山泰弘氏は同社会長職です。