発達障害児が就労を実現するための最低条件(1)

発達障害児でも、以下の条件をクリアできれば、就労を実現できるチャンスは十分にあります。以下の条件は、会社の採用担当者の立場に立って、私が最低限必要であろうと考える事項を記載したものです。
- 就労を実現するための最低条件
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- 最低限の学習能力(簡単な読み書き能力、簡単な四則計算能力、簡単な判断能力)
- 就労スキル(清掃の仕事の場合は、清掃に関するスキル)
- ある程度の体力
- 最低限のコミュニケーション能力
- 協調性
採用に関しては、絶対的な基準というものはありません。会社によってまちまちです。ですが、どこの会社でもこれは最低でも求められるであろうというものはあります。それが、この条件です。ですが、あくまでも最低条件なので、余裕があればさらに磨きをかけてほしいと思います。これをみなさんにお知らせする理由は、できるだけ早い時期から就労の実現および就労の継続の準備ができればと考えたからです。
この条件をすべてクリアしたとしても、必ずしも就労が実現するものではありませんが、可能性は確実にアップすると思います。また、この条件をすべてクリアできない場合でも、絶対に就労できないということでもありませんが、かなり厳しいと思います。それでも、条件のうちの③の場合、パートタイムの仕事であれば、それほど体力が必要ではないのかもしれません。
また、この条件のなかでもっとも重要な項目は、「協調性」です。就労も集団生活ですから、「協調性」がある程度まで育っていないと採用される可能性は低くなりますし、採用されたとしても就労の継続はとてもむずかしいと思います。この条件はすべて重要な事項ですが、何よりも「協調性」を重視する理由は、「協調性」が人間関係にもっとも関連する事項だからです。
会社は、社員管理や社内のコミュニケーションを特に重視しています。社員管理は会社の基本項目ですが、「協調性」に欠ける人物は管理がしにくい人物として嫌われますし、他の社員のモチベーションを低下させる人物として疎まれてしまうのです。ですから、たとえ多少仕事をする能力が他の人より優れていたとしても、採用してもらうのはむずかしいと思います。
「協調性」については、こちらもご参照ください。
今回は、ここまでです。次回は、「就労を実現するための最低条件」の個々の事項について、お話します。お楽しみに。