発達障害児にせっかくできた友だち、もっと仲良くなる方法は?

前回、前々回と発達障害児のコミュニケーションを基準としたタイプ分類をおこない、タイプ別の友だち攻略法についてお話ししました。今回は、せっかくできたお友だちとさらに良い関係を構築していくためにはどうしたらいいかについて、お話しします。
- 発達障害児のコミュニケーションを基準としたタイプ別
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- Aどちらかといえば、親しくない他者でも話しかけるのに躊躇しないタイプ
- Bどちらかといえば、親しくない他者に話しかけるのに躊躇するタイプ
(A)、(B)の両タイプだけではなくどんなタイプの子どもであれ、良好な人間関係を構築するには、協調性を育てていく必要があります。特に(A)のタイプの子どもの場合は、不用意に不適切な発言をしてしまう傾向がありますので、特に協調性を意識して育てる必要があると思います。
(A)、(B)の両タイプだけではなくどんなタイプの子どもでも、協調性は重要事項ですので、ここで、協調性についておさらいをします。協調性とは自分の気持ちを抑えて、相手に配慮する気持ちです。配慮する気持ちとは、相手を尊重して仲良くしたいという謙虚な気持ちです。協調性は自分の気持ちを抑える感情でもありますから、我慢をしなければならない局面が出てきます。ですから、我慢をするということを教えていくことも必要となってきます。親御さんにとっては想像以上に大変な作業です。あまり簡単な作業ではありませんが、ここを乗り越えるとお子さんはワンランク上に成長できていると思います。
ワンランク上の成長といわれてもピンと来ないかもしれませんが、協調性は今後の生活に大きな影響を及ぼすものです。おそらく、発達障害児は生きていく上でさまざまなトラブルに遭遇しやすいと思われますが、その原因の大半は協調性の成長が不十分だからと考えています。なぜなら、協調性は人間関係やコミュニケーション能力と密接な関係があるからです。特に集団生活においては、不可欠なものです。
先ほど、協調性とは自分の気持ちを抑えて、相手を尊重して仲良くしたいという謙虚な気持ちだと申し上げました。これを習得した時点でも、友だち関係は十分に構築できる可能性がありますが、ここまできたら、協調性もさらにもうワンランク上を目指しましょう。そうすると、もっと相手と仲良くなることが期待できます。さらにもうワンランク上の協調性とは、相手に対する思いやりとか優しさを持つことです。
相手に対して思いやりとか優しい気持ちで接することができれば、相手からも思いやりとか優しい気持ちがそのまま返ってくる可能性が高いと思います。ということは、さらにより良い友だち関係を構築できることを意味しています。また、集団生活ではみんなにうけ入れてもらえる可能性が格段にアップしているでしょうし、本ブログの究極の目標である愛される子どもになれる可能性も十分にあります。
ここまで到達できれば、友だち関係でのトラブルはほとんどないと思います。このレベルにまで到達できるのは、健常の大人でもなかなかいません。偉そうに書いている私もそんなレベルとはほど遠いところで生きています。
なお、どんなに己をみがいて協調性を高めたとしても、なかには意地悪をしてくる子どもがいます。協調性がこの次元にまで高まると、その原因は、あなたのお子さんではなく、相手方の性格の問題に限られてくるでしょう。
また、無理してすべての友だちと仲良くなる必要はありません。あなたのお子さんが、楽しくつき合える友だちだけを選別してもいいのです。その場合、親御さんが友だちの選別をするのではなく、できる限り本人の判断に任せる方が良いと思います。余程の理由がない限り、親御さんが介入しない方が良いでしょう。
ここまでの道のりはとても長いですが、決して不可能ではありません。協調性は、人間関係やコミュニケーション能力との関連性が深いものですから、コミュニケーションが苦手な発達障害児には不得意な分野なのかもしれませんが、習得は決して不可能なことではないのです。息子も協調性をある程度習得できていますので、職場での人間関係は良好ですし、友だちとの関係もとてもうまくいっています。
ですから、あなたのお子さんでも頑張れば習得できるものなのです。あきらめずに頑張っていきましょう。