高等特別支援学校 発達障害でも企業から欲しいと評価される人材(不器用そうだけど一生懸命な先輩A君①)

照れている高校生

私がA君に初めての出会ったのは、後に息子が入学する高等特別支援学校の文化祭に訪問したときでした。息子が中学3年生のときのことです。(A君には、校内で2、3回声をかけたことがありますが、多分、A君は私のことは憶えていないと思います。息子も高等特別支援学校に在学中、A君との交流はほとんどなかったと思います)

A君は当時、高等特別支援学校の2年生で、清掃の専門学科に在籍する生徒でした。A君は、文化祭では清掃部門でスクイージーを使った窓清掃の体験コーナーの担当をしていました。そのときは、私と息子が参加したのですが、スクイージーの操作は簡単なようで意外とむずかしいものでした。

スクイージーは窓ガラスを拭き上げる時に使う道具です

※スクイージーは、窓清掃の道具の1つ。汚れを落とすために、窓ガラスの表面に吹き付けた洗浄液や水を取り除くための道具。

親子で参加した際、A君はアドバイザーとして、スクイージーの使用方法や清掃の手順を一生懸命に説明しようと頑張っていました。お世辞にもうまい説明ともいえないし、障害の度合いもこの学校の生徒としては重い方なのかもしれないという印象でした。不器用そうな印象を与えるA君ですが、相手に理解してもらおうと、とても一生懸命に努力しているのです。

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真面目に説明しようとすればするほど、ちぐはぐな説明になってしまうのですが、言いたいことは何となく伝わってきます。伝わってくるのは、言葉より彼の熱意の方でした。それも、10倍くらい多い感じです。もう見ていられないくらいの一生懸命な姿勢は、ある種のオーラを発しているように見え、思わず感動してしまいました。発達障害児でも、こんな子がいるのだなと、心を強く揺さぶられた私は、一発でA君のファンになりました。

A君を見たほとんどの方の印象は、とても不器用な子だなとマイナスイメージを抱いてしまう方が多いかもしれません。しかし、私は、そのマイナスイメージを覆してしまうほどの真面目さ、勤勉さ、そして一生懸命さを感じたのです。第一印象で、将来、A君の良さを理解してくれる会社経営者が絶対にいるはずだと確信していました。

そして、その予想は的中しました。高等特別支援学校の就職率は、通常の特別支援学校の高等部と比較したら、各段に高いのは事実ですが、すべての生徒が就労できるわけではありません。高等特別支援学校によっても、就職率には格差があります。また、同じ高等特別支援学校に在籍していても、すぐに企業から内定をもらえる生徒もいれば、卒業間際になってやっと内定をもらえる生徒もいます。

残念ながら、在学中には内定をもらえない生徒も結構いるのが、現実です。そのような状況の中で、A君は就職を見事に勝ち取っていました。

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息子の進学先の候補として検討していた高等特別支援学校は、2校ありました。実はどちらの学校にも良い印象を抱いていたのですが、最終的な決め手はA君のような先輩がいる学校が良いと考え、この学校に決めたのです。

なお、発達障害でも企業から欲しいと評価される人材、愛される子どもについては、こちらも参照してください。

今回はここまでです。次回も、息子の先輩A君の話の続きです。お楽しみに。

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