発達障害のお子さんの就労を実現するために 障害者雇用する企業は何を重視してる? 

内定をもらい喜んでいる高校生

前回は、発達障害のお子さんの就学先の環境が、「就労を実現するための最低条件」の習得の阻害要因になっていること、そのような状況のなかで、親御さんが本来の目標を見失うことなく、お子さんの就労の実現をするためには、どうしたらいいのかについて、お話ししました。

今回は、発達障害のお子さんの就労を実現させるために、実際の就職活動へのアプローチについてお話しします。

発達障害のお子さんの就職活動へのアプローチ

ガッツポーズする高校生

お子さんの就労へのプロジェクトは、ここで終わりではありません。

むしろ、ここからがスタートなのです。

「就労を実現するための最低条件」はすべてクリアしていたとしても、必ずしも、就労が実現するわけではありませんが、就労できる可能性は確実にアップしています。

ですが、さらに「就労を実現するための最低条件」について、お子さんの能力を底上げすることができれば、就労できる可能性はさらにアップします。

「就労を実現するための最低条件」については、こちらでご紹介しています。

ここまでは、就労に向けてのお子さんの就労スキルのアップについてのステップでした。

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就労までのプロセスと障害者雇用

職場実習からスタート!

実際に就労するためには、企業への就職活動が必要になります。

特別支援学校(高等部)、高等特別支援学校での就職活動は、通常、職場実習(インターンシップ)という形で実施されます。

そして、職場実習の終了後に採用面接があります。

これを通過して、初めて企業に採用されることになります。

障害者雇用とはいえ、誰でも採用してもらえるわけではありません。

企業は、社会貢献だけの理由で障害者を雇用しているわけではないのです。

企業は、障害者の法定雇用率を課せられていますが、だからといってそれが企業の障害者雇用の大きな後押しとなっているかと言えば、そうではありません。

ファブリ

社会貢献も障害者の法定雇用率も、企業の障害者雇用の後押しとはなっていますが、それほど大きな動機になってはいません。その証拠に、法定雇用率が2021年3月にアップされましたが、それを契機に障害者雇用が大幅に増えた事実はありません。法定雇用率は、国内にあるすべての会社が対象になりますが、法定雇用率が課せられた、あるいは、法定雇用率のアップで障害者雇用を検討する企業が大幅に増えたという報道はありません。若干は増えたと思いますが・・・

採用担当者の視点

採用担当者の視点

企業の障害者雇用をする動機がどこにあるのかを、正しく理解することは重要です。

企業の採用担当者の視点を十分理解していないと、採用してもらうのはむずかしいと思います。

職場実習、採用面接についても、ある程度採用してもらえる可能性をあげるテクニックも存在します。

また、意外と思うかもしれませんが、保護者(親御さん)の姿勢も企業側は重視しています。

これらのノウハウについては、意外と特別支援学校(高等特別支援学校)の就労担当の先生でも、私が想像していたよりも詳しくないと思っています。

なぜなら、息子の就職活動でのやりとり、高等特別支援学校の先生と何度も勉強会を行った経験がありますが、就労担当の先生でも、企業側の思惑や事情にそれほど詳しくないのではないかという印象をもったからです。

ですが、誤解の無いように申し上げておきますが、特別支援学校(高等特別支援学校)の就労担当の先生が、ダメだということではありません。

企業側の採用担当者は、先生に対してあまり本音を言いませんし、企業によっても事情はさまざまです。

ですから、先生も企業対応に関しては、未知なところが結構あったりするので、戸惑ってしまったり、わからないところが多くあるのも当然かと思います。

私は、たまたま以前に長く人事総務の経験があるので、企業側の思惑をある程度想像ができるだけですが、それが私自身の強みでもあります。

どうすれば、その企業担当者の本音を聞くことができるのかのツボも、ある程度わかっています。

ですから、企業の採用担当者の視点から、どうすれば就職できる可能性がアップするかについてなども考察して、みなさんにも、お知らせすることができるのです。

企業側の思惑や事情を理解できていると、企業側が欲しいと思っている人物像もある程度推測できます。

どうすれば、採用してもらえる可能性をアップできるかについても熟知しています。

お子さんの就労が実現すれば、みなさんのお悩みの大半は解消することでしょう。

就労はスタートです

笑顔の社会人

就労は、就労が実現しただけでは不十分です。

今後、あなたのお子さんが少なくとも、平均寿命くらいまでは生きていくことを前提とすれば、その就労を継続させていくことも、重要な課題となりますが、その対応につきましてもどうすれば良いのか理解できれば、みなさんも安心できるかと思います。

就労の実現および就労の継続につきましては、こちら詳しく解説していますので、ぜひ、ご参考にしていただければと思います。

そして、みなさんのお子さんの就労の実現、そしてその継続が実現するように祈っています。

みなさんならきっとできます。そして、お子さんの幸せな将来へつなげてください。

まとめ

実際の就職活動の流れ

  • 職場実習(インターンシップ)
  • 採用面接
  • 採用可否の決定

お子さんの採用可否に影響する要素

  • 法定雇用率のアップは、それほど影響は大きくない
  • 保護者(親御さん)の姿勢を企業側は重視している

その他、お子さんの採用可否をアップするには

  • 企業の障害者雇用をする動機がどこにあるのかを、正しく理解すること
  • 企業の採用担当者の視点を十分に理解すること
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